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目指したのは90年代ツーリングカーの雰囲気
激レアなボルクレーシング“TE85”が足元に華を添える!
今回紹介するER34型スカイラインは、90年代のツーリングカーレースに魅せられたというオーナーの愛機。そのカスタムコンセプトは「ナローボディ&ターボ感を抑えた作り込み」というものだ。
フロントマスクは、シャフトオートサービス製の純正フェンダー対応新作バンパーをセット。GT-Rタイプのデザインでありながら、違和感なくナローボディに馴染む逸品だ。
さらに、インタークーラーも大型の前置きタイプではなくトラスト製の純正置き換えタイプとすることで、チューンドらしい雰囲気を極限まで払拭。GT-Rルックではあるが、どこか繊細なイメージを感じさせるのはこれらの絶妙なバランスによるものだろう。
フェンダーのエンブレムも見逃せない。コンセプトを貫くために、ターボモデルの赤/白エンブレムを剥離しているのだ。細かいポイントだが、オーナーの強い拘りを感じさせてくれる。
インテリアにもマニアな作り込みが光る。ER34のターボモデルは純正で3連メーターを備えているが、それもターボモデルのアイコンということで潔く撤去。“素のスカイライン”の雰囲気を全面に押し出しているのだ。
個性的なホイールは、かつてレイズから販売されていたツーリングエボリューションの19インチバージョン「TE85」だ。9.5Jプラス12×19インチのワンサイズモデルで、往年のツーリングカーらしい雰囲気を望むオーナーにはドンピシャな存在と言えよう。
車高調はブリッツのZZ-Rをベースに、スプリングをスウィフト製(F20kg/mm R12kg/mm)に変更。255/30−19サイズのタイヤを収めるべく、フロントアッパーアームのみクスコの調整式に変更し、ギリギリ干渉しないキャンバーセッティングを施している。
スタイリングと実用性の両立を目指し、シャフトオートサービスのリフターシステムも導入。スロープにアプローチする際や緊急時には4輪の車高を一時的に上げることが可能だ。
「遠目だと綺麗ですが、もっと状態の良い純正フェンダーが手に入ったら交換しようと画策中です。後は内装のメイキングを進めたいですね」とオーナー。トレンドに流されることなくオリジナリティ溢れるメイキングが施されたマシンだが、まだまだそのスタイルを極める道半ばのようだ。
PHOTO:平野陽(Akio HIRANO)
取材イベント:2022第12回R34スカイライン祭り