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完全公認で名機L型エンジンを楽しみ尽くす!
新旧クロスオーバーの技ありマシン
本来は4気筒のSR20DE(T)を搭載するS14シルビアの心臓部に、旧車でお馴染みのL型エンジンを搭載してしまった仰天チューンドの登場だ。
オーナー兼ビルダーの谷島自動車・斎藤さんは、根っからのL型マニア。仕事の傍、フルチューンのS30Zで旧車ライフを満喫していたが、車両の特性上、デイリーユースでの活躍は難しい。そこで「もっと気軽に普段からL型を楽しみたい」と考え、このチューンドを製作したという。
ベースになっているのは、S14後期Q’sのATモデル。そこにバルクヘッドを加工することなくスマートに直6のL28を換装している。なお、フロント周りの重量増はSR20DEと比べても20kg程度とのことで、ハンドリングへの影響はほとんどないそうだ。
エンジンは320psを絞り出すL28改3.1Lのフルメカチューン仕様だ。キャブレターはφ50ソレックスで、フューエルデリバリーも美しく作り込まれる。当然ながら排気環境も全て見直されているが、TIC製の触媒を使うことで排ガス試験をクリアし、公認車検も取得しているというから驚かされる。
デストリビューターは、点火タイミングを最適化する進角装置を搭載したOS技研の製品に変更。さらに、エンジンルームはサイクルフェンダーやシェイブドベイといった最新のカスタムを取り入れているところも見どころだ。
ミッションはR32スカイライン純正5速を使っているが、シフトポジションがノーマルとほぼ変わらない位置に設定されているため違和感はゼロ。エンジン換装によって純正メーターは機能しなくなったため、メーターパネルは新規で製作。エアコンやパワステも装備し、デイリーユースで使えるようにキッチリと仕上げられている。
ドライブフィールを高めるためのバケットシートは、旧車風にエア抜きボタンを配したモデルをチョイス。エンジンの仕様を知らなければ「変わったパーツチョイスだなぁ」と思うかもしれない。
バケットシート同様に、ホイールもあえて旧車テイストのSSRメッシュをマッチングした。サイズは16インチでフロント8.0Jのリヤ9.0Jだ。足回りはビルズの全長調整式車高調をセレクトして適度にローダウン。
ちなみに、S14のL型仕様は総額300万円(車両込み、エンジンはL28ノーマル)から製作可能とのことで、ベース車両はシルビアの他にスカイライン(R31〜R34)やフェアレディZ(Z31〜Z32)でも問題ないそうだ。
「L型エンジンは憧れだけど、ベース車両が古くて維持が大変そう」や「昔乗っていたL型のサウンドが忘れられない!」という熱い人にとっては興味深いチューニングアプローチと言えるだろう。
●取材協力:谷島自動車 TEL:0296-57-3528
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