目次
内外装がS13なのに4ドアでエンジンはRB26!?
日産名車ミックス仕様の4ドアドリフトマシンの正体とは!
元々、S13シルビアに乗っていたというオーナー。ドリフトを中心に、シルビアでのチューニングカーライフを満喫していたが、ある日「S13シルビアの4ドアがあったらカッコ良いんじゃないか…?」という思いが湧いてきたそう。そして、オーナーが着手したのが”4ドアS13シルビア”の製作だったというわけだ。
このチューンドのベース車両は、R32スカイラインの4ドア。リヤ周りまで綺麗にS13シルビア化され、全体に渡ってグラフィックが入っているため、パッと見では派手なシルビアにしか見えないのが恐ろしい。何でもフルノーマルのNAエンジン搭載車を4年前に購入し、DIYでここまで仕上げたという。
フロントフェンダーはD-MAX製のR32用をベースに加工。ヘッドライトが自然な位置に収まることを一番に考えて成形していったそうで、ナチュラルなスタイリングを構築している。
フロントバンパーはBNスポーツ、もちろんS13用だ。フロントフェンダーからの繋がりも極めて美しいラインを描いており、各部のクオリティはもはやプライベーターの域を超えている。ちなみにサイドステップもBNスポーツ製、リヤバンパーはURAS製を装備している。
リヤウイングはドラッグマウント仕様だ。これは、世界的に有名なドリフトチーム“あ〜ぼ〜ムーン”の名物車両である佐津川スカイラインへの強い憧れから、同タイプのモノを自作したそうだ。
足回りは326パワーのチャクリキダンパー(F40kg/mm R20kg/mm)をセット。ハブ周り一式をR32スカイラインタイプMから移植することによって、フロントブレーキの対向キャリパー化と前後5穴化を同時に実現している。
ホイールはワークエモーション極で前後9.5J+9の通し。特注カラーのインペリアルゴールドが存在感を主張する。
S13シルビア化への拘りはインテリアまで及ぶ。ダッシュボードやセンターコンソールは、なんとS13と同形状の180SX用を完全移植しているのだ。
エンジンはSR20DET…ではなく、オーナーの求めるドリフトに必要なパワーを簡単に引き出せるユニットとしてRB26DETTを選択。東名パワードの鍛造ピストンやハイカムを組み込んだ上で、アクチュエーター式のM7655タービンをセット。軽く400psを超える出力を手にしている。
ちなみにタービンはオーナー自作のEXマニを介したオーバーヘッドマウント仕様だ。「上置きのシングルなら安くできるんですが、ツインだと高かったので自作です」とのこと。仕様的には500psも狙えるスペックだが、排気効率などの兼ね合いから十分なパワーを引き出せていないのが現状。今後はこのあたりのリメイクを考えているそうだ。
全域に渡ってハイレベルなメイキングが光るマシンだが、エアロパーツには明らかにドリ車らしい傷が散見される。この点に関しては「元々ドリ車として作ってるんで、ある程度は仕方ないです。走ってなんぼですよクルマは」とキッパリ。丹精込めて作り上げた愛機を全力で振り回す、ショーカーとは一線を画すオーラがこの4ドアS13シルビアにはある。
PHOTO:土屋勇人