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エンジンは強度限界ギリギリを攻めた600馬力仕様!
全方位スキ無しの作り込みだが完成はまだまだ先か!?
富士スピードウェイで開催された“第12回R34スカイライン祭り”。国内最大級のオーナーズミーティングということで、日本全国からR34乗りが駆け付けたわけだが、もしこのイベントに“遠方賞”があったなら、この車両がぶっちぎりの一等賞だろう。
自宅はなんと九州の宮崎県! しかも、オーナーは今年で28歳という若さにも関わらず、免許取得以降、2台のER34を乗り継いできたという生粋のR34マニアだ。
「この個体は7年目。フルノーマル状態で手に入れてからコツコツ仕上げてきました。最初はドリ車としてチューニングを進めて、その後はドレスアップ要素を求めて外装を…という感じです」とオーナー。
心臓部のRB25DETエンジンは、様々な仕様を経て、現在は東名パワードのポンカムにMAMBAの3582タービンを組み合わせた600psオーバー仕様(LINK G4X制御)となる。なお、このスペックは暫定的なもので、今後は27万kmを走っているエンジンのオーバーホールを兼ねて腰下のムービングパーツを強化品に変更し、750psを狙っていくそうだ。
一方のエクステリアは、ユーラスの“超スーパー幅広ワイドエアロシステムBODYKIT”により、フロント片側75mm/リヤ片側85mmという大幅なワイド化を達成。リヤフェンダーをスムージングするだけでなく、キットには付属しないフューエルリッドをFRPで製作することで、より美しいボディラインを作り上げている。
併せてボディカラーをトヨタ&ダイハツ用の「レーザーブルークリスタルシャイン」でオールペン。2コートのパールだが、深い艶と大量のメタリックを吹いたかのような煌びやかさを放つ。
足回りは、スピリットの車高調とイケヤフォーミュラの調整式アームにより、多彩なセッティングを可能としている。ワイドなフェンダーに合わせるホイールは、18インチのワークシーカーMXだ。フロントに10Jマイナス20、リヤに11Jマイナス25という強烈なサイズを収めている。
室内は純正然とした仕上がり。ステアリングにはナルディクラシックを、ドライバーズシートにはレカロのフルバケをそれぞれ導入し、ドライビングポジションの最適化を図っている。
ただ闇雲にパーツを装着していくのではなく、ER34本来の美しさを尊重した絶妙なバランス感覚。目指す方向はどうであっても、他のクルマとは違う、自分だけの1台を作り上げる。そんなチューニングの基本ともいえる明確な意思を、このER34から感じずにはいられない。
PHOTO:平野陽(Akio HIRANO)
取材イベント:2022第12回R34スカイライン祭り