「R35GT-RにRB26? アリストに4ローター!?」意味不明なスワップマシンが乱舞する海外の最新チューニングに迫る

禁断の旧世代エンジンスワップも当たり前!

オーストラリアのシドニーで、年に一度開催されるチューニングカーの世界一決定戦「ワールドタイムアタックチャレンジ(WTAC)」。このイベントはタイムアタックイベントとしての側面はもちろん、各国のチューナーがハイレベルなマシンを持ち込むショーカー的な要素も兼ね備えている。今回はそんなWTACの現地で見かけた、定番チューンドベースのエンジンスワップ仕様たちを紹介していく。

ショーカーレベルの華やかさと巧みなスワップ術のオンパレード

スタイリッシュなS15に3ローターをスワップ!

各部をスムージングして、独特の雰囲気を醸し出すS15シルビア。ふとエンジンルームを覗いてみると、3ローターの20Bシングルターボユニットが、恐ろしいほど美しくワイヤータック&シェイブドベイされて鎮座しているではないか! さらに室内はオールレザー張り替え済で、カスタムオーディオも導入。リヤサスはナローの4リンクで、リヤタイヤは335/25R22という異次元っぷり。ターゲットステージは不明だが強烈なチューンドだ。

R32にオーストラリア現地の直6ユニットをスワップ!

GT-RルックのR32スカイラインタイプMに搭載されていたのは、RB26…ではなく、フォード・オーストラリアが生産していた最終型ファルコンのBARRAと呼ばれる4.0L直6ターボユニット。タービン交換など一通りのチューニングが施されて最高出力は1000psに迫るそうだ。

メルセデスの名車W124に2JZ-GTEをスワップ!

メルセデスのラインナップの中でも、今なお名車として語り継がれるW124に、日本最強の2JZ-GTEを換装したスーパーチューンドだ。サージタンクやパイピングなどが美しく作り上げられているのはもちろん、ボディカラーとのコーディネイトも完璧。良い意味でメルセデスらしくないメイキングが光る1台だ。

高級セダンアリストに4ローターターボをスワップ!

ニュージーランドのドリフターが、究極を目指して製作したJZS161アリストの登場だ。エンジンはニュージーランドのCBRというチューナーが作ったブリッジポート仕様の4ローターターボで、馬力はなんと1320ps! さらに1800ccインジェクターを16本駆動させて全開時の燃料消費量はリッター1を遥かに下回るやばさ。走行会を1日走ろうと思ったらメタノールガスが300L必要とか、もはや笑うしかない。

大型タービンのアシスト役としてNOSも装備。エキゾーストハウジングを加工してウエストゲートを配置するのは珍しい手法だが、レイアウトが効率的に決められるというメリットもある。ちなみにドライバーの腕前は決してプロ級というわけではなく、生粋のエンジョイ勢。だからといって「こんなクルマ乗りこなせるの!?」などと思うなかれ。好きな改造車で自分のできるドリフトを楽しむ、それが彼のスタイルであり美学なのである。

超過激なボンネット排気の2JZをスワップした86!

ツインターボ仕様の2JZ-GTEとショッキングピンクのエンジンルームがインパクト抜群なトヨタ86。ウエストゲートもエキゾーストも全てボンネットから排出する漢仕様だが、パイピングがエーデルウイングスのジョイントで、シリコンホースを使用していないところから推測して超ハイブーストなアルコール燃料仕様だろう。

BMWのV10を換装した衝撃の86タイムアタック仕様

WTACでも多く見かけるようになったトヨタ86。V8エンジンスワップなども珍しくない中で、一際注目を集めていたのがこのバリスのフルワイドボディキットをまとったマシンだ。

心臓部は「V8エンジンでツインカム…トヨタ系か?」と思いきや、ファンネルの数を見直して気付くV10仕様。聞くと、BMWのM5に搭載されていたS85エンジンを換装したのだという。ミッションはM3用のゲトラグ6速。燃料にはE85を使用し、モーテックのM150制御で軽く500psオーバー。純然たるサーキット仕様として組み上げられた本気のタイムアタックスペシャルだ。

軽量なロードスターにハイパワーSRエンジンをスワップ!

ボディ同色の3コートパールで仕上げられたエンジンベイが美しいNBロードスター。その上でSR20エンジンをスワップし、GTX3076Rタービンをセット。市販のハイオクで400〜450ps、このまま内部を強化してアルコール燃料を使えば550〜600psも可能というハイパワー仕様に仕上げられている。

R35にRB26を搭載した禁断の旧世代スワップ仕様!

D1ニュージーランドに参戦中のR35GT-Rだ。心臓部はVR38DETTではなく、なんとRB26DETT。チューニングの自由度とドライバーの直6愛がこのイレギュラーな選択を実行した原動力とのことだが、ここまでの仕様ながら、日産ニュージーランドのスポンサードを受けていたりするから恐れ入る。

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