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邪道と言われても構わない!唯我独尊のレシプロRX-8
心臓部は1JZ改JPターボ仕様で450馬力を発揮!
ロータリーエンジンならではの魅力と言えば、回転運動がもたらすスムーズかつシャープな吹け上がり。ところがその魅力と引き替えに、ロータリースポーツオーナーの頭と懐を悩ませるのが、快調を維持するために定期的に行わなくてはならないオーバーホール。ロータリー乗りなら覚悟をしなければならないそんな悩みを、ウルトラC級の離れ業で解決してしまったのがここで紹介するRX-8だ。
何と言っても注目なのは、ボンネットの下に収まるパワーユニット。まるで最初からそこにあったように違和感なく搭載されているのは、トヨタ製2.5L直6DOHCターボの1JZ-GTEエンジンなのだ。
「このエイトは8年前に購入しましたが、2年前にオーバーホール時期を迎えたのを機に1JZに積み換えました。完成直後に開催された2018年の東京オートサロンでFNATZブースに展示してもらったのですが、SNSなどでは『邪道だ!こんなのエイトじゃない!』といった意見も多かったですね」というのはオーナーの猿舘さん。
話を伺ってみると猿舘さんは、過去にFC3Sを2台乗り継いだREフリーク。大好きなエイトを長く乗り続けたいという純粋な理由で選んだのが、レシプロエンジン搭載という手法だったわけだ。
ちなみに1JZを選んだのは、当時エイトとともに90系マークIIや100系チェイサーを所有していたから。「これくらパワフルで丈夫なエンジンがエイトに載っていたら楽しそう」というのが理由だった。
タービンをJPターボのボルトオンタイプとした1JZエンジンは、最高出力450psを楽に発揮。排気系はワンオフ加工で、HPI製のEXマニとRE雨宮のドルフィンテールマフラーをドッキングしている。
ロケットバニーのワイドボディキットを中心としたボディワークは、ロータリースポーツファンにはお馴染みのガレージヤマグチが手がけたもの。鮮やかなグリーンのカラーリングはオーナーが希望していたものではなく、オートサロンに間に合わるための“お任せ”の結果だったとか…。
前後とも片側100mmワイドの迫力のワイドフェンダーに収まるのは、これまたワイドなワーク製18インチホイール。タイヤはフロントが245、リヤが285の設定。サスペンションは車高調がHKSハイパーマックス、アーム類がオートクラフトとなっている。
インテリアはT&Eのステアリングハンドルとブリッドシートへの変更程度で、エイトのオリジナル感をしっかり維持。ミッションはRX-8純正6速をベルハウジング加工で1JZと組み合わせているので、シフトレバーの位置もピッタリと合っている。
「公認取得で安心して公道走行ができるのも拘りです。色々な意見はあると思いますが、これもエイトの新しい乗り方だと思います」とも猿舘さんは言う。自由な発想で生み出されるチューニングの可能性は無限大なのだ!
PHOTO&REPORT:川崎英俊