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チューンドK24A+910kgの軽量ボディで筑波1分1秒台をマーク
エアジャッキ等も装備した本格サーキットスペック
ホンダ車のスペシャリストとして、創業から35年以上の歴史を持つ“ホンダツインカム”。オリジナルブランドであるFEEL’Sを展開し、内外装からエンジンまで多彩なパーツラインナップを誇る老舗中の老舗だ。そんな同社が手がけた本格サーキット仕様のCR-Zが今回の主役だ。
純粋な速さを求めた結果、エンジンは純正の1500cc+ハイブリッドシステムをキャンセルして、アコードやオデッセイに搭載されるK24Aへとスイッチ。エンジン本体は戸田レーシングの強化パーツをフル投入することで、NAのまま290psまで出力を高めている。ミッションもK型用だ。
インテークで存在感を主張する、ファンネルむき出しの4連スロットルも戸田レーシング製の逸品だ。ポート研磨をはじめとするホンダツインカム独自のヘッドチューンと組み合わせることで、ハイレスポンスなパワーフィールを作り出している。制御は、ホンダツインカムが手がけるFEEL’SブランドのECUが担う。
サスペンションはオリジナルの車高調キット(F12kg/mm R10kg/mm)を装備。ブレーキはフロントにAPPの4ポットキャリパーと320mmローターを組み込んで強化済みだ。
ストラット周辺、とくにサスペンションの取り付け位置付近は前後ともに重点的な補強が行われている。
サーキットでは短時間で複数回のアタックを行うケースも多いため、レースカー御用達のエアジャッキも搭載。これにより、瞬時のジャッキアップを可能にしている。
一方の室内は、超スパルタンな仕上がりだ。内張りはもちろんアンダーコートまで完全撤去。メインメーターはスタックに置き換えられ、センターコンソールにはバックカメラ専用のモニターが装備されている。
軽量化の一貫でリヤゲートもカーボンパネルとされているため、後方視界はゼロ。それを補うべくバックカメラを備えているのだ。
外板パーツにはFRPルーフパネルやアクリルウインドウ、そしてカーボンエアロパーツなどの軽量マテリアルを投入して軽量化を推進。これにより、車重は910kgを実現している。
サーキットスペックということで、GTウイングやディフューザーなどの空力パーツも投入。ただし、300ps以下の車両に過度のダウンフォースは必要ないと判断。控え目なサイズにしているのがポイントだ。
これらのメイキングにより、筑波サーキットでは1分1秒という驚異的なタイムをマーク。目標としていた1分切りは果たせなかったものの、エコカーベースのマシンがサーキットを疾走する姿は圧巻。往年の軽量コンパクトなFFスポーツマシンを彷彿とさせる仕上がりだ。
●取材協力:ホンダツインカム杉並店 東京都杉並区成田西2-21-18 TEL:03-5347-7001
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