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街乗りでの快適性とハイパワー化を追求したオールラウンダー!
ピックアップ重視でTD07S-25Gタービンをセット
この美しいJZA80スープラは、街乗りでの快適性を追求しつつハイパワー化を実現した純然たるストリートチューンドだ。
「長く乗り続けているお客さんのクルマなのですが、比較的街乗りでの快適性を優先したチューニングとなっています」とは、マシン製作を担当したマテリアルオートファクトリー福島代表。
続けて「タービンはシングル化していますが、ストップ&ゴーが続く街中を想定し、低速域からトルクが出るようなサイズをセレクトしているのもポイントですね。サーキットを主体に考えたら、もう少し違ったアプローチも考えますが、現在の使い勝手ではこの仕様がベストセッティングだと思いますよ」。
その言葉通り、ミドルクラスのTD07S-25Gタービンをセットした2JZエンジンは、街乗りでの気持ち良さを重視したセッティングが施される。タービン交換に合わせてインジェクターはサードの850ccに変更し、F-CON Vプロ+プロフェックによる制御で、ブースト圧1.8キロ時に550psを発揮するスペックだ。
チューニングカーとしての迫力を表しているエクステリアは、レーシングドライバー織戸学選手がプロデュースするエアロブランド“リドックス”のワイドボディキットでフル武装。リヤのGTウイングはボルテックス製の2枚羽根タイプを合わせている。
サスペンションは、HKSハイパーマックスMAX IV SP(F20kg/mm R16kg/mm)でセットアップ。ホイールは深いコンケイブディスクが特徴のエンケイRS05RR(10.5J×18)、タイヤはサイズの都合でフロントにディレッツァZIIスタースペック(295/35-18)を、リヤにイーグルRS(285/35-18)をそれぞれ組み合わせている。
一方のインテリアも、基本はストリートスペックとして仕上げられるため快適性重視のクリーンな仕様。デフィの追加メーターを美しくレイアウトし、ステアリングはMOMOドリフティングを組み合わせた盤石の構成だ。
シートは質感とホールド性を重視したレカロRS-Gをドライバーズ&ナビともに装備する。ロールケージはサイドバー付きとし、乗員保護とボディ剛性アップを両立。
このチューンドをワインディングステージで試した飯田章選手は「めちゃくちゃピックアップが良くて、ノーマルをさらに乗りやすくした感じ。さすがに高回転域ではパワーが鈍るけど、この扱いやすさはどんなステージでも強い武器になると思う。だからと言って、決して優等生ではないんだよね。スープラらしいジャジャ馬っぷりは健在。踏めばお尻が簡単に出るから、ハイパワーFRらしい操る楽しさがある。見事だね」と絶賛。
百戦錬磨のレーシングドライバーをも納得させるポテンシャル。まさに速さと快適性を併せ持つ万能型スペック。チューニングの王道を強く感じるスープラだ。
●取材協力:マテリアルオート 東京都町田市小山ヶ丘3-3-11 TEL:042-798-1435