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800馬力も狙えるVQ35HR改GT-RSツインターボ仕様
R35GT-Rに負けない加速性能!
最高速チューンを得意とする“ペントルーフ”が製作したZ33型フェアレディZ(後期)の登場だ。注目したいのは、やはりエンジン。ボルトオンターボ化を前提としたVQ35HR本体は、まず大幅に高まる爆発力でシリンダーが倒れ込むのを防ぐため、オープンデッキ部上部にピン補強、下部にセメント補強が施される。
合わせてボア径を純正0.25mmオーバーサイズとしたペントルーフオリジナル97.75φ鍛造ピストン、キャリロ製H断面コンロッドが組み込まれ、シリンダーブロック加工と合わせて腰下の強度を高めている。圧縮比は0.7mm厚ヘッドガスケットとの組み合わせで9.5だ。
一方、燃焼室加工やポート研磨などが行われたヘッドには東名ハイカムと強化バルブスプリングをセット。同時に、油圧ラッシュアジャスターを廃してソリッドリフター化も図られている。
そんなフルチューン仕様のVQ35HRに組み合わされるのが、HKSスペシャルターボシステムセットアップキット(現在は廃盤)。タービンはGT-SS、GT2530、GT-RSの3種類が用意されていたが、ペントルーフは最もパワーを稼げるGT-RSを選択。
また、制御系は純正ECU書き替えによってスピードリミッターカットとVTCの最適化を行いつつ、F-CON Vプロで燃調&点火時期をセッティング。制御方式はLジェトロからDジェトロに改められる他、Vプロで作ったエアフロ擬似信号を純正ECUに読ませることで、わずらわしいエンジンチェックランプの点灯も回避している。
なお、GT-RSタービンのポン付けでの設定ブースト圧は0.4キロだが、エンジン本体に手を入れ、燃料ポンプ2基がけ+サード850ccインジェクターで燃料系の容量アップを図ることで、最大1.5キロまで許容できるようにチューニング済みだ。
さらに、フューエルリターンパイプを持たないノーマルでは十分な燃料を確保できないため、内径8φのアルミパイプで圧送側2本、リターン側1本のフューエルラインを新設していたりもする。
一方の排気系は、HKSタービンエクステンション、サードメタルキャタライザー、ペントルーフオリジナルセンターパイプというセットアップ。センターパイプ径に合わせてキャタライザーOUT側のパイプも70φに拡大することで、排気抵抗を低減している。
高出力を受け止める足回りも徹底チューンを敢行。サスペンションはアラゴスタベースのトップシークレットスーパーダンパーで、アッパー部には瞬時に車高を上下できるロベルタカップも装着。ブレーキは前後ともエンドレス6ポットキャリパー+2ピースローターで強化済みだ。
インテリアは、ノーマル然とした仕上がりが印象的。ダッシュボード中央の3連メーターの下にはFRPで製作されたワンオフパネルにモニターをインストール。そこにHKS CAMP2で各種情報を表示させている。
気になる出力は、最大ブースト圧を0.9キロに抑えながらダイノパック計測で550psを記録。「テストでは最大1.2キロかけて650psまで確認しています。エンジンの耐久性を考えると1.5キロで800psまでは狙えるかな。ただし、サージと排気系がボトルネックになるので見直さないといけないですけどね」と、ペントルーフ北林代表。
全開加速ではR35GT-Rに引けを取らないという戦闘力。まさにZ33チューンドのひとつの究極系だ。
●取材協力:ペントルーフ 東京都大田区大森東2-28-2 TEL:03-5493-0840
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