「7.0LのV8はライトチューンでも驚異的な速さ!」サーキット用に仕立てられたC6コルベットZ06

排気量の暴力で驚異的な低速トルクを発揮!

サーキット周回マシンとして進化を遂げたC6コルベット

タービン交換仕様のC33ローレルでドリフトを楽しむオーナーが、グリップ走行用として新たに購入したのは何とC6コルベットのZ06。

NAとはいえ、7.0Lという排気量から繰り出されるパワーとトルクは申し分無し。ライトチューンながらも、富士スピードウェイを1分52秒で駆け抜けるというからその速さはかなりのものだ。

搭載されるLS7エンジンは、純正で軽量化を狙ったチタンコンロッド&インテークバルブが組み込まれる他、ドライサンプを採用するなど、レーシングエンジンと呼べるスペック。

それをベースに、社外エアクリーナーで吸気系を整え、排気系はステンレスワークスのEXマニとマフラーを装着。通常、NAエンジンは吸排気チューンのみで大幅なパワーアップは難しいが、さすがは7.0Lもの排気量を持つパワーユニット。最高出力は540ps、最大トルクは70kgmと、ノーマルから30ps/5kgmものパワーアップを実現している。

エンジンマネージメントは、アドバンスオートでメインECUチューンを敢行。吸排気系の交換に合わせた燃調や点火時期へと変更されている。

バルクヘッド上部にあるボンネットとエンジンルーム間のレインフォースをカットし、合わせてボンネット上にガーニーフラップを設置。冷却強化として行われているのはこの程度だが、サーキットを周回しても油温、水温ともに問題ないという。

ブレーキはノーマルでもフロント6ポット、リヤ4ポットのキャリパーとビッグローターを装着しているが、サーキット走行での耐久性に難アリということで変更。フロントはAPレーシング6ポットキャリパー+355mmローターを装備。

リヤはブレンボ4ポットキャリパー+345mmローターの組み合わせ。サスペンションは純正のままでも特に問題ないという。

ロール剛性を引き上げるために、スタビライザーは前後とも米PFADTの強化品に変更。これはレート調整も可能なアイテムだ。ちなみに、オレンジ色のジャバラホースはブレーキ冷却の効率を高めるために追加したものだ。

コクピット周りは、ステアリングをMOMO製に交換するのみ。走る上で必要最低限のパーツだけがチョイスされているのだ。

運転席はレカロのSP-Gに交換。ノーマルは電動シートで重量があるため、それを軽量化することも考えてフルバケを選んでいるそう。また、4点式シートベルトを取り付けるために、シート後部に金属製のバーも追加されている。

リヤウイングは、GT300クラスに参戦していたタイサンシルビアが実際に使用していたドライカーボン製GTウイングをセット。強烈なダウンフォースを発生させ、リヤのトラクションを向上させている。

GTウイングの装着により、フロントの接地感が薄れてしまったためツインカナードをワンオフ製作。小ぶりながら効果は絶大で、GTウイングだけ装着していた時に感じられたフロントリフト傾向がキッチリ抑え込まれたという。

サーキットでは18インチのSタイヤ(F265/35 R295/35)をセット。ちなみに、18インチをチョイスしている理由については「ミッションやファイナルでローギヤード化したいところなんですが、かなり費用がかかりますからね。タイヤ外径で簡易的ですがローギヤード化を図っているんです」とのこと。

オーナーがサーキットを走り、不満を感じた箇所へと的確なチューニングが施されたZ06。ライトチューンとはいえ、バランスよく性能が引きあげられたマシンだ。

●取材協力:ハラダエンジニアリング 埼玉県八潮市西袋428-1 TEL:048-927-1100

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