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子供の送迎からSタイヤでの全開バトルまでこなす!
20年以上に渡って進化を続けるリアルストリート仕様
とあるエリアでは有名なこのNSX。ホームコースでは負け知らずだというその走りは、補修したばかりのバンパーがすぐに飛び石で傷だらけになっていることからも伝わるだろう。
後期エクステリアではあるものの、実はNA1の最初期型だというこのチューンド。エリア最速を狙ったメイキングが各部に散りばめられている。
20年以上に渡り全開バトルを楽しんでいるということもあり、エンジンはなんとこれが8機目。ノーマルエンジンを何度も壊した経験から、強化バルブスプリングの導入を軸にサージング対策を徹底的に行なっているという。
その上で、吸気系にはサージタンクを加工してインフィニティQ45スロットルを投入。排気系はタイテックEXマニとトレーシースポーツのマフラーを装備。こうして吸排気を煮詰めた上で、F-CON Vプロによる綿密な制御を組み合わせ、最高出力は300psに到達。回転数は常用8000rpm、最大8500rpmを目安にしているとのこと。
NSXはエンジンの振れが大きいため、エンジントルクダンパーと強化マウントで振動をシャットアウト。ダイレクトなシフトフィールを作り出している。
足回りはレーシングギヤのJTC N1ダンパーを軸に構築。普段からSタイヤを履いているため、それに合わせたセッティングが施されている。
ブレーキはパッド交換(アクシス・タイプR)に留めているが、ブレーキバランスが速さに直結すると判断して前後独立した調整式Pバルブを装備。「キャリパー自体は純正でも特に問題はありません。しかし、本気で攻めるとなるとブレーキバランスの調整は不可欠です」とはオーナー。また、軽量化の意味合いもありABSは潔く撤去している。
走りに振ったマシンのため室内もスパルタン仕様…と思いきや、なんと助手席にはレカロのチャイルドシートが常設!? スポーツ走行だけでなく、子供の送り迎えにも活躍するNSXなどそうはいないだろう。
オーナー好みのスタイルを追求した結果、エアロパーツはブランドミックスに。エアロボンネットはルートKS、フロントバンパーとエアスクープはシグナルオート、フロントワイドフェンダーは横田ボディクラフト、リヤワイドフェンダーはタイテック製のものを装備している。
「軽量なボディを振り回す…、ハチロク的な乗り方で楽しんでいますね」。世にも珍しいNSXのリアルチューンド。中古車相場が高騰し、価値が高まり続けていることなどお構いなしに車体を振り回す姿はアッパレだ。(OPTION2誌2014年11月号より抜粋)