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価格の小慣れた318isにVTECエンジンを組み合わせた異色チューンド!
今や貴重な軽量5ナンバーFRをベースに作り上げる快感マシン
カムカバーとの干渉をさけるために浮かされたボンネット以外、見た目は完全ドノーマル。まさかこの318isにF20Cが載っているとは、誰も思わないだろう。大阪の“インパクト”が作り上げたスワップマシンの全貌を見ていく。
足回りとボディのバランスに優れる318isは愛好家が多いことでも有名だが、国産チューナー目線だと『いかんせんパワーが足りない』。そこで得意とするホンダ車のパワートレインを、同じFR駆動であるS2000のF20C+6速MTの換装に着手した。
実作業では、フロントサスメンバーとオイルパンのクリアランスを確保したり、ステアリングシャフトと干渉しないようにエンジンマウントを作ったりと、結構な苦労があったそうだ。
エンジンルームの向かって左奥にあるカバーを外すとECUが現れる。現状、F20C純正ECUで制御しているがいずれはF-CON Vプロでセッティングを煮詰めていく予定だ。
318isはフロントサスメンバーの前にステアリングラックがあり、それがオイルパンと干渉してしまう。しかもF20Cはオイルポンプとストレーナーが一体式(写真はK20AだがF20Cも基本的には同じ)だから、オイルパンを加工することが出来ない。その分ノーマルに対して、エンジン搭載位置を40mmほど上げているのだ。
また、AP1は電動パワステを採用しているため、F20Cにはパワステポンプが存在しない。そこでパワステを活かすために装着されたのが電動油圧ポンプだ。国産車だとSW20用がよく知られているが、この318isにはプジョー用を流用。配管などは当然ワンオフだ。
ミッションは、幅広いセンタートンネルのおかげで無理なく収まった。排気系はEXマニ&センターパイプのみワンオフ製作し、リヤエンドはあえてノーマルのままとされている。「排気音がうるさくなるのは嫌やし、見ため的にノーマルってのがシブイと思って」とのこと。
シフトレバーは、一切加工をすることなくドンピシャの位置に! シフトノブに刻まれたパターンを見なければ、これがAP1の6速MT仕様ということには気づかないはずだ。
ワインディングで試乗してみると、その走りは思ってた以上に痛快。6000rpm手前でハイカムに切り替わると“クォォォ〜ン”というカン高いVTECサウンドを響かせながら、タコメーターの針が目盛りのない領域に入ってもグングン伸びていく。そして、特別手を加えてないのにボディはしっかりしているし足もよく動く、ブレーキのタッチや剛性感もバッチリだ。318isがチューニングベースとして高いポテンシャルを持ってるのは間違いない。
探せば50万円程度で中古車が買えてしまうコンパクトな318isをベースに、こんなチューニングを愉しむのもアリかもしれない…そう思わせてくれるほどの完成度だ。