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力強い低速トルクが魅力の2.65Lサーキット仕様!
街乗りでも使いやすいトルクをRB26純正クランクで実現
富士スピードウェイをホームコースとするオーナーのために、日産車チューンの老舗“テスタロッサ”が耐久性重視でセットアップしたER34スカイラインの登場だ。オーバー500psを達成しているハイスペック仕様だが、ピークパワーのみならず、乗りやすさにも拘ったチューニングが施されている。
ポイントはRB25DETの腰下に、RB26DETTの純正クランクと1mmオーバーサイズの強化ピストンを組み込んで総排気量を2627ccへとスープアップしていること。
低中速トルクを稼ぎたい場合に排気量アップは有効だが、アフターの排気量アップキットを組むとなるとコストがかさんでしまう。そこで出番となるのが、RB26DETT純正クランク。インストールには、コンロッド小端部1mm偏心加工+ガスケットによる調整が必要となるが、最小限の加工で装着でき、それでいて低回転域のトルク不足を解消するには十分な効果を発揮する。
組み合わせるタービンはウエストゲート式のTD06-25Gだ。これに作用角260度のハイカムを組み合わせ、最大ブースト1.3キロ時に520ps/55kgmを発生させている。
重要なマネージメントにはF-CON Vプロを使用。燃調のバラツキを気筒ごとに補正できる“ポート別補正機能”などを使うことで、スロットルやサージタンクの性能をフルに引き出すことが可能だ。
補機パートのチューニングも万全だ。サージタンクには中間トルクやレスポンス向上に効果的なトラスト製の大容量タイプを導入。このサージタンクはタンク容積が純正比約1.7倍の3600cm2で、タービン交換を前提とした形状となっている。スロットルは定番のインフィニティ用90φを使用する。
インタークーラーもトラストの前置きタイプをインストール。フロントバンパー開口部ギリギリにセットされたコアが威圧的だ。
排気パートには、トラストのパワーエクストリームTi-Rを装着。曲がりの少ないサーキットスペックで、迫力のある重低音サウンドが楽しめる逸品だ。ちなみにメインパイプ径は80φ、テールエンド径は115φとなっている。さらにストリートでの使い勝手も考慮して、マフラーの音量を室内から調整できるアペックスのECVも組み込んでいる。
その他、室内には剛性アップと安全性を確保するために5点式ロールバーを装着したり、ブレーキも徹底強化(フロントにF40ブレンボ、リヤにBNR34純正ブレンボを移植)するなど、サーキットスペックとしての純度を高めている。
エンジンに関して言えば、資金に余裕があればRB26DETTへの換装がベストだが、なかなかそういうわけにはいかないのが現実。リーズナブルに扱いやすい500psを手に入れるには、打って付けのメニューと言っていいだろう。
●取材協力:テスタロッサ 静岡県沼津市松長1065 TEL:0559-67-5111
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