「GRヤリスのスポーツ走行に最適なタイヤサイズをガチ検証!」ユーザー目線なら255サイズがベストか!?

235から265までタイヤだけでフィーリングが激変!

岡山国際サーキットでタイヤテストを実施

最新スポーツモデルのパワーチューニングを徹底追求し、速さの限界領域を切り拓き続ける京都の“オートクラフト”。GRヤリスも早々にデモカー(RZハイパフォーマンス)を導入して、その可能性を探り続けている。

今回は、そんなオートクラフトのデモカーを岡山国際サーキットに持ち込み、タイヤサイズの違いでタイムや走りのフィーリングがどのように変化するのかをチェックするテストを行った。

用意したタイヤはTOYOのプロクセスR888。サイズはストリートユーザーが履きこなしやすい235/40R18(ボルクレーシングTE37 SAGA:8.5J×18+44)、スポーツ走行重視の255/35R18(ボルクレーシングCE28 SL:9.5J×18+44/スペーサー3mm)、アタックユースに振った265/35R18(ボルクレーシングZE40タイムアタックII:9.5J×18+44/スペーサー3mm)の3サイズ。テスターは、スーパーGTシリーズでも活躍する坂口良平選手だ。

改めてオートクラフトGRヤリスのスペックを見ていく。エンジンは、HKSのパワーエディターを使ってブーストアップを敢行。ブースト圧を高め過ぎるとチェックが入りセーフティモードへ移行してしまうため、まずは0.15キロアップからテストを開始。これだけでも20ps&5kgmほどのエクストラパワーが得られたという。エアクリーナーは純正形状のHKS製をセット。

足回りは、HKS謹製のハイパーマックスMAX Ⅳ・GT20スペックを投入し、コンパクトボディならではの軽快さを引き出す味付けを模索中。スプリングレートをアップ(F8kg/mm R7kg/mm)し、旋回性を高めるためにリヤをトーアウトとした上で、フロント3度、リヤ2度10分のキャンバーセッティングを施している。

室内にはオリジナルのステアリングモニター(純正下取り:12万8000円〜)をセット。これは、ステアリングトップに液晶を搭載し、水温や油温といったOBDIIポートから得られる車両情報を表示できるというシロモノ。左右インジケーターLEDにエンジン回転やレブリミット警告も表示できるため、スポーツ走行時の強い味方になってくれること間違いなしだ。

シートは2脚ともブリッドのゼロVSへと変更。単体重量7.1kgの軽量モデルだが、エアバッグ内蔵の純正シートも実は結構軽量に作られていてトータルで10kgのダイエットに留まったそうだ。

気になるテスト結果はというと、まずそれぞれのベストラップは235/40R18サイズが1分49秒007、255/35R18サイズが1分47秒744、265/35R18サイズが1分48秒076という結果になった。

「フィールで言うなら235はキビキビしていて悪くない。太くなれば太くなるほどレスポンスは落ちていきますね。ただし、タイヤを太くしてキャパを上げていけば比例して速くなっていくことは間違いないので、サーキットアタックだけに絞るなら、やはり265を入れるのがベストだと思います。今回は足回りのセッティングが255サイズに合っていたので最も速いタイムが出ましたが、265サイズを使いこなせるセットが決まれば一番になるはず」とは坂口選手。

坂口選手のコメント通り、タイム狙いなら265サイズがベストであることは間違いない。しかし、ホイールサイズの関係(9.5J+44)もあり、アッパーマウントでのキャンバー調整が不可能な現状では足回りとのクリアランスがギリギリ。そのため、スペーサーで外に逃さなくてはならず、そうなると今度はフェンダー内にタイヤが収まらなくなる。セッティングもかなりシビアになるので、ユーザー目線で判断するなら255サイズが無難と言えるだろう。

テスト結果を受けて、「足回りやLSDなどの総合的なセットアップを進めていくことがGRヤリスチューンの要になる」と痛感したというオートクラフト白鬚代表。この先、デモカーがどのような進化を重ねていくのか。そして進行中のオリジナルパーツやパワーチューンがどう進むか、今後の動向に期待したい。

●取材協力:オートクラフト京都 京都府京田辺市大住大峯1-7 TEL:0774-64-6466

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