「世にも珍しいアルファロメオ75TSの本格チューンド!」デジタル制御のNAメカチューンで超レスポンスを実現

オールドアルファの名作をモーテックでデジタル制御!

バランスに優れた名機を思いきりサーキットチューン

チューニングシーンではレアなベース車に属する、アルファロメオのオールドモデル「75TS」。そのパッケージングはレーシングカー的なもので、エンジンは縦置きでミッションはトランスアクスルのリヤマウント式、ブレーキはミッションケースのすぐ脇につくインボードタイプとなっており、前後の重量バランスは理想的な50:50を達成している。

当時としてはかなり革新的なモデルであったことは言うまでもなく、フィアット傘下に入る前、アルファロメオの75周年記念として投入されたこともあり、オールドアルファ最後のモデルとも言われている。

この車両に搭載されるエンジンは、2000ccのNAでツインカムのツインプラグ仕様。元々はオーナーが仲間で草レースを楽しむために廉価で手に入れたもので、勢いよく内装を取って軽量化し、ロールケージを入れるなどプライベーター的にイジっていたそうだ。しかし、いつしか本格的なサーキットスペシャルとして機関系にもコツコツとプロの手が入れられ、気がつけばここまでの仕様になっていたとのこと。

エンジンチューンの軸となるのはアルファ・ホリックス製の専用スロットルキットだ。スロットル径は45φで、キットには専用ECUも付属していたが、前時代的なスペックだったためにキャンセルし、モーテックで制御。最近、仕様変更を終えたばかりだが、その際に不安の解消策としてハーネスも全て引き直した。

点火系チューンも行われ、コイルはS15シルビア用を使い、デスビは廃して4A-Gの5バルブ用ピックアップを加工して装備している。また、オルタネーターは信頼性が高く軽量なダイハツ軽自動車用を流用している。

複雑に取り回されるロングタイプの等長EXマニは、プロショップ・ナカガワによるワンオフ品。見た目にも拘ったレイアウトであることは一目で分かる。

純正メーターパネルは排除され、モーテックのカラーディスプレイロガーを軸に再構築されたコクピット。ハーネスは全て引き直され、ヒューズも廃止。やはりモーテックのPDMモジュールでスイッチングを行なう最先端スペックだ。

足回りはアラゴスタ車高調でセットアップ。ホイールはボルクレーシングTE37V(7.0J-15)、タイヤにはアドバンA050(F215/50-15 R225/50-15)を組み合わせる。

駆動系はOS技研ツインプレートクラッチ→バッチロマー ドグミッション→OS技研スーパーロックLSD(4.1ファイナル)という構成だ。

エクステリアはオーバーフェンダー化によってトレッドを拡大し、リヤスポイラーも当時流行したホエールテールタイプを装備。ウインドウは全てポリカーボネイト製だ。

実際、このクルマは岡山国際サーキットをホームコースとしているが、初めて走った15年前からするとラップライムは25秒もタイムアップしているそうだ。ちなみに現在のベストタイムは1分52秒9だ。

エンジンは内部まできっちりと手が入れられているが、今回のリメイク前の実測で約150ps+α。現在はキャブレターからインジェクション&電子制御へと仕様変更を終えたところで、セッティング待ちの状態だ。また、並行してニューエンジンも製作中で、目標出力は200ps弱とのこと。オールドアルファの名作は、まだまだ進化していくというわけだ。

●取材協力:プロショップ・ナカガワ 兵庫県姫路市余部区下余部1239  TEL:079-272-3883

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