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GVBのキャラクター性を活かしたアプローチ
シチュエーションを問わず安定した走りを披露!
ラリーで勝つことを目的に開発された、歴代インプレッサの水平対向ターボエンジン+4WDシステムというパッケージは、ジムカーナやサーキットでも評価が高い。今回紹介するGVBは、まさに競技で活躍していた一台。豊富な競技車両製作の実績を持つ兵庫県の“アクア”が、全日本ジムカーナ参戦車両をベースにサーキット仕様へとリメイクを行なったチューンドだ。
エンジンは、HKSのキャパシティアップグレードキットを用いて排気量を2.2Lに拡大。エアクリーナーこそ変更されているが、タービンやインタークーラー、ラジエターなどはノーマルのままだ。そこにフルコンのLINKによる綿密なマネージメントを組み合わせて、最大ブースト圧1.8キロ時に350psを発生させている。レギュレーションに縛られる競技車両ベースのためにチューニング内容は抑え気味だ。
足回りはHKSのハイパーマックスベース(FR14kg/mm)で煮詰め、ブレーキは前後ともAPレーシングのシステムに交換。ちなみに、サスペンションセッティングは基本的に全日本ジムカーナ参戦時のままだ。
ホイールはボルクレーシングZE40(F9.5J+41 R9.5J+52)で、タイヤにはポテンザRE-12Dの265/35-18サイズを組み合わせる。
オクヤマ製のロールケージやブリッドのフルバケが組まれた室内は完全なレーススペシャル。軽量化のためにリヤシートは撤去されている。
エクステリアを覆うエアロパーツは乱人のキットで統一。リヤバンパーに設けられたベンチレーション用のダクトが攻撃的だ。カーボン柄のフルラッピングも含め、このあたりもジムカーナ参戦時から変更はないという。
このチューンドをセントラルサーキットで走らせた佐藤公哉選手は「とにかく、よく止まって、よく曲がって、よく加速するクルマです。突っ込みすぎてアンダーが出そうなヘアピンでもキッチリと曲がってくれるし、低速トルクが太いのでリカバリーもしやすい。本当に高いレベルで仕上がっているクルマですよ」と評価。
パワーはそこそこに抑えて、足回りでタイムを稼ぐGVBの資質の高さを理解し、各ファクターをバランス良く磨き上げた模範的なチューンドスペックだ。
●取材協力:アクア 兵庫県多可郡多可町八千代区仕出原699−9 TEL:0795-30-6161