目次
620馬力を軸にしたトータルチューニング
老舗チューナーが提案する極上の調律術!
『純正タービンを使い切る』というユーザーライクなコンセプトで製作された、老舗“カンサイサービス”のR35GT-R(2017年モデル)デモカー。自走でサーキットに乗り付け、どんなコースでも速さを見せつける。そんな合法ストリートスペックだ。
パワーユニットは、ノーマルタービンのポテンシャルを余さず引き出すブーストアップ仕様となる。吸排気を煮詰めた上で、燃料ポンプのみサード295L/hに変更。そこにオリジナルのスポーツECUを組み合わせ、ブースト圧1.2キロ時に620㎰/90.5kgmを発揮させている。
冷却系はGT1000インタークーラー&パイピングフルキットやDCTオイルクーラーで強化を図っている。
排気系は、フロントパイプ、センターパイプ、キャタライザーにはトラスト製を選択。マフラーはバルブによる音量の切り替えが可能な、HKSの2ステージエキゾーストシステムを組み込んでストリート適応度を高めている。
足回りは、HKSハイパーマックスMAX4SPを選択。アドバンA052のグリップレベルに対する最適化と高速コーナーでの安定感引き出しを図るため、フロント22kg/mm、リヤ16kg/mmとしている。
その他、オリジナルのアッパーリンク&リヤサーキットリンクを投入し、ネガティブキャンバー角を付けているのもポイント。キャンバー角はフロントが4度20分、リヤ2度40分で、リヤを若干トーインに振ることで制動時にリヤが暴れるのを防いでいる。
安定した速さを引き出すために投入されたのが、フロントワイドフェンダーとフロントLSD。グリップレベルを高めた285サイズで積極的にフロントを引っ張っていけば、ハイスピード領域でも挙動はしっかり安定させられるからだ。
なお、タイヤに関してはウエット&ドライで頼もしいグリップレベルを引き出してくれるアドバンA052で、移動からサーキットまでをカバーする。ホイールはアドバンレーシングR6の20インチモデルで、前後ともに11J+5を通しで履く。
ブレーキはカンサイサービスオリジナルのクーリングエアガイドをセットし、純正キャリパーにプロジェクトμのN+ブレーキパッドを合わせる。
エクステリアは、バリスのクーリングエンジンフード以外全てカンサイサービスのオリジナルパーツで構成されている。
カーボンフロントショートトリップ、カーボンフロントグリル、フロントワイドフェンダー、カーボンサイドステップ、カーボンリヤウイングが装着されているが、機能性はもちろん、車両の雰囲気に高級感を与えてくれる点もポイントだ。
ステージを問わずコントローラブルな特性のエンジンに、フロントワイドフェンダー+フロントLSDによる回頭性強化のメニューで、サーキットではタービン交換仕様と並ぶ好タイムを叩き出すこのGT-R。
さらなる速さを求めた際にも、現在装着されているパーツを活かしたアップデートが可能で、まさにGT-Rチューンを知り尽くした老舗ならではの提案だ。
●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126
【関連リンク】
カンサイサービス
http://www.kansaisv.co.jp