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TO4Rの容量を使い切るトルク重視の700馬力仕様!
リフレッシュをかねてエンジンは3.1L化
走行10万kmを機に、TO4Rタービンキットを装着しただけの600ps仕様から、オーバーホールを兼ねたエンジン本体のチューニングで700psを狙うべく作られたJZA80。オーナーが新車から大切に乗り続けているという相棒だ。
腰下は、純正1mmオーバーサイズとなるHKS鍛造87φピストンでボアアップ。さらにH断面コンロッドで耐久性を高めると同時に、クランクシャフトを軸としたフルバランス取りまで施されている。
一方、ヘッド周りでは一通りの修正&加工が行われ、IN/EXとも264度(9.0mmリフト)というプロフィールを持ったHKSカムシャフトが組まれる。
最大ブースト圧は1.6キロの設定。どうしてもパワーやトルクのピーク値に注目してしまうが、この仕様の一番の見どころは3200rpmから6000rpmオーバーまで持続するパワーバンドの広さだ。
ちなみに、レブリミットは7500rpmにセットされているが、元々2JZは高回転が得意でなく、チューニングも低中速トルクを重視したものだけに、シフトアップは7000rpmが目安になっている。
インタークーラーはHKSの3層式をチョイス。圧縮されて高温になった空気をクールダウンする機能性は言うまでもなく、フロントマスクに一層の迫力を与える意味でも効果は絶大だ。
スロットルボディはノーマルのままだが、サブスロットルのバタフライバルブがフリーになるよう加工することでTCSを完全キャンセル。それでいてカプラーは接続されたままのため、チェックランプが点灯することもない。
サーキット走行などで起こりがちなパワステフルードの吹きこぼれを防ぐパワステフルードフィルターも装着。容量アップが図れるだけでなく冷却効果も十分にあり、一般的なコアタイプのクーラーを装着するまでもないそうだ。
マフラーはメインパイプ径80φ、テールエンド径115φのトラストパワーエクストリームTi。フルチタン製でノーマルの19.7kgに対して、わずか5.5kgという軽量な仕上がりも大きな魅力だ。
エンジン始動時やO2フィードバック制御のみ純正ECUに任せ、それ以外のマネージメントに関しては全てF-CON Vプロが担当する。
サスペンションはHKS GDマックスIIで、バネレートはHKSが設定したフロント16kg/mm、リヤ8kg/mmのまま装着される。
重量級のJZA80でサーキットを走るとなれば、ブレーキの強化は必須項目のひとつ。そこで制動力とコントロール性の向上を狙い、フロントブレーキはアルコン4ポットキャリパー&355mmローターに交換される。
オートメーターの大型タコが目を引くインパネ周り。他にメーターパネル右側にブースト計、センターのエアコン吹き出し口に水温計、助手席の目の前には油温、油圧、燃圧の各追加メーターがセットされる。ステアリングとロールバーパッドはブルーでコーディネイト。
サーキット走行でのサポート性やホールド性を重視して、運転席はレカロSP-Gに交換。助手席は純正オプションのレカロSRIIだ。
エクステリアはトップシークレットバンパー、ドゥーラックサイドステップ&リヤバンパー、トライアルGTウイングというミックス仕様。ホイールは往年のレイズデイトナスピード(F8.5J+35 R9.5J+30)で、タイヤにはアドバンA048(F245/40-18 R265/35-18)をセットする。
オーナーはこのJZA80で頻繁に富士スピードウェイへと足を運び、サーキットでの全開走行を楽しんでいるという。もちろん、エアコンやオーディオなどの装備は全て揃っている状態だ。
また「長く乗りたい」というオーナーの意向によって、オルタネーターやスターター、燃料ポンプといった全ての電装系パーツをオーバーホールないし新品に交換することで、トラブルの可能性を徹底的に排除している点も見逃せない。
「足が決まれば、筑波1分フラットが狙えますよ」というペントルーフ北林代表の言葉から、このJZA80のポテンシャルの高さがうかがい知れる。
●取材協力:ペントルーフ 東京都大田区大森東2-28-2 TEL:03-5493-0840
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