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究極を実現するメカニズムを徹底解剖!
歴史的な大刷新を施して鮮烈デビュー
1973年にレース用エンジンとエンジンパーツの開発・製造を行うマニファクチャーとしてスタートしたHKS。半世紀に渡る長い歴史の中でレース界、チューニング界に送り出してきたエポックメイキングな製品は数え切れないほどだが、ハイパワー支えるための欠かせない要素としてラインナップに加わることになったのが、オリジナルサスペンションシステムだ。
1993年にリリースされた最初のキットは、社外品をベースにオリジナルセッティングとしたもの。しかし「日進月歩で高出力・高速化が進むチューニングマシンには、それに相応しい足回りが必要だ」という創業者・長谷川浩之氏の号令のもと、自社製サスの開発に着手。開発スタッフは米国ペンスキー社に派遣され、ハードとソフトのあらゆるノウハウを吸収して帰国したという。
自社製の車高調が完成したのは1996年のこと。ハイパーダンパーと命名された4WAY減衰力調整式ユニットは、R33GT‐RベースのレコードブレイカーT002に装着され、サーキットや最高速で長らく破られることのない記録を樹立。その技術を投入したストリート用として、1998年に誕生したのがハイパーマックスだった。
以降20年以上に渡り、時代に合わせて進化が図られてきたハイパーマックスシリーズだが、その歴史に残る大刷新を施して2022年に登場したのが、フラッグシップモデルとなる”R”である。
ショックアブソーバー
HKS伝統のスチール製モノチューブ(単筒式)シリンダーを採用したショックアブソーバーは、ピストン径を大きく設定でき、オイル流量を確保できるのが大きなメリット。ダブルウィッシュボーンやマルチリンク式のフロントとリヤに採用される正立式のピストンサイズは国内最大級となる46Φ、ストラット用の倒立式では40Φとなっている。
減衰力セッティングの決め手となるバルブ機構には、先行のハイパーマックスSで開発されたデュアルプリロードバルブを採用。これはリング形状のシムバルブを伸び側、縮み側それぞれに各2組設けたもので、初期減衰の立ち上がり向上とハイスピード域の減衰抑制に効果によりシャープなハンドリングと突き上げ感のない乗り心地を実現させた。
30段の減衰力調整機構は新たにシャフトに内蔵されているニードル形状の見直しにより、ワンクリックでの減衰力調整幅を拡大。
ダンパーオイルもハイパーマックスRのために新開発された専用品。高粘度指数の化学合成油で、熱による温度変化を抑制しサーキットの連続走行でも熱ダレ知らず。しっとり感と粘り、収まりの良さを実現している。
コイルスプリング
誇らしげに”R”のロゴとレート表示がプリントされたスプリングは、ハイスペックと名付けられたハイパーマックRの専用品。従来のハイパーマックスシリーズでは190または200k級だったのに対し、210k級の高強度線材を採用している。
スプリングエンド部も従来のクロースタイプからオープンタイプになっているのも注目のポイントで、これら素材と形状の見直しによりステアリングレスポンスの向上と、高レートを感じさせない特性を実現している。
車種により追加されているサブスプリングは遊び防止のヘルパーではなく、ギャップ通過時やコーナリング時の内輪の伸びストロークをしっかりと確保するためのテンダーとして機能させるのが目的。レートも0.5kg/mm、2kg/mm、4kg/mmを用意してベストセッティングを追求している。
ハイパーマックスRではスプリングリテーナーを全タイプに標準装備。アッパーマウントの下部に装備しているのがそれで、サスペンションの軸とスプリングの荷重線を同軸上に設定できるため、ストローク時のフリクションが低減し、ハンドリングと乗り心地が向上する。
ダンパーチューニングの要素として研究を重ねてきたバンプラバーもハイパーマックスRでは形状や寸法もバリエーションを拡大してアドバンスバンプラバーへと進化している。
マウント&ブラケット
高い耐久性と精度を誇るNMB製ピロボールベアリングを採用したアッパーマウントや、耐蝕・防錆性能を追い求めて行き着いたシリンダーやブラケット部のPNEコート、バネ下重量軽減と高剛性を両立させるアルミ製ボトムブラケット(一部車種はスチール製)など、これまでのハイパーマックスシリーズで培ってきた技術はもちろんハイパーマックスRにも惜しみなく投入されている。
フラッグシップモデルに相応しい仕上がりとするため、美観も徹底追求。ガングレーのカラーリングはHKSのコンプリートエンジンにも採用されるもので、目に見える進化を表現するために選択したそうだ。
スプリングシート部に装着されるインシュレーターと呼ばれるレッドカラーの樹脂製リングも、ストリートモデルとは異なる特別な見た目を追求したハイパーマックスR専用品となる。
アッパーマウントの面取り加工やレーザー刻印のロゴなど、性能だけでなく製品としての美しさも世界一線級を目指している。
世界最高峰を目指し、恐ろしいほどまでの進化を果たしたハイパーマックスR。スポーツサスペンションでありながら、2年4万km保証を実現しているのもHKSの自信の現れと言えるだろう。
HKSのハイパーマックスRへの拘りは、量産品と考えるならば正直、常軌を逸しているレベル。メイド・イン・ジャパンの“足”が、いよいよ世界を震撼させる。
●問い合わせ:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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