「JZA80だからこそのハイパワーチューンド!」エンジン本体には手を入れずとも800馬力が狙える2JZの魔力

800馬力を常用発揮させる名門の技

2JZの強みを存分に活かしたハイチューンスペック

ドラッグレースに関わって30年近いキャリアを持つ老舗“アバンス名東”が製作したJZA80スープラの登場だ。高い耐久性を持つことで知られる2JZ-GTEエンジンの限界ギリギリに挑んだ仕様とされており、最高出力は800psを超えているというから恐れ入る。

心臓部は、ヘッドにHKSのハイカム(280度)をセットしているのみで、エンジン腰下は何とノーマルのまま。ここまでのパワーを狙う場合、真っ先に壊れるのはコンロッドだ。その対策として、ブーストがかかる瞬間の点火時期をわずかに遅角させてプログラム。ムービングパーツへの負荷を抑えているのだ。

冷却系はサードのラジエターにトラストのオイルクーラー、ブリッツ製インタークーラーで強化。燃料系はアペックス1000ccインジェクター6本に、ニスモ製フューエルポンプ(280L/h)を2基投入。制御はアペックスのパワーFCにて行われる。

組み合わせるタービンは、ビッグシングルの代名詞でもあるトラストのT88H-34D。トップエンドにおけるパワーの伸びはもちろん、中回転域のトルク特性にも優れているなど、ハイパワー系ドラッグマシンではもはや定番のモデルだ。

運転席側のヘッドライトはハイビーム位置を加工し、フレッシュエアをダイレクトにタービンへと引き込めるようにダクト化。スパルタンな顔付きを演出している。

オーバーハングの重量物となるバッテリーはトランクへと移設。その他、コレクタータンクをはじめとする燃料系パーツもここに集約させている。

このチューンドを富士スピードウェイで走らせたレーシングドライバーの和田久選手は「9000rpm付近までパワーを使えそうな感じがする。乗り味はまさにゼロヨン仕様という感触で、ブーストがかかりだすと、まるでロータリーみたいにどんどん加速していくんだよ。馬力のオバケだね」とコメント。

高風量のT88Hタービンゆえに高回転型のエンジン特性ではあるが、2JZ-GTEという名機のポテンシャルの高さを再確認させてくれるようなチューンドだ。

●取材協力:アバンス名東 愛知県名古屋市守山区太田井5-29 TEL:052-796-0271

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アバンス名東
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