「S13系は軽さで勝負!」サーキット仕様として熟成を重ねる美しき180SX

軽快な動きの秘密は突き詰められたボディメイクにあり!

サーキットを楽しむためだけに作られたスパルタン仕様

シルビア系チューニングを得意とする、滋賀県の”ジークエンデルング”が手がけた180SXの登場だ。

店長の一柳さんがD1GPに参戦していたこともあり、この車両もドリフト仕様なのかと思われがちだが、実際はグリップでのタイムアタックをメインに作り込まれたチューンドだったりする。

シンプルかつ美しく仕上げられたエンジンルーム。「作り物が好きなんです」という一柳さんらしく、パイピングなどはそのほとんどが自身の手によるワンオフだ。

エンジンは東名87φピストンを使った2.1L仕様に、IHIのRX-6という最近では珍しいタービンの組み合わせ。最大ブースト圧1.5キロ時に450psを発生させる。ヘッド周りもソリッドピボット化や、燃焼室&ポート加工などひと通り手が入っている状態だ。

インテーク周りは大容量サージタンクにインフィニティ用90φスロットルという組み合わせ。インジェクターはニスモの740㏄だ。

インタークーラーは、HPI製をコアサポート部まで後退させて中置き配置。パイピングを最短距離でまとめることによってレスポンスアップを図っているのだ。ラジエターはKOYO製のアルミを採用する。

エンジンマネージメントは東名パワードのレイテックが担う。ブーストコントロールはHKSのEVCで綿密に制御している。

足回りはジールファンクション車高調を軸に構築。アライメントの範囲を広げるために調整式アームも多数投入されている。

ホイールはワークエモーション11R FTで、タイヤにはディレッツア03Gの265/35-18サイズをセット。ブレーキはフロントがBCNR33用キャリパー&V36ローター、リヤはBCNR33用キャリパー&ローターを流用して強化している。

安全性確保だけでなく、剛性アップも考えられたロールケージはワンオフの14点式となる。シートはZIEKが絶対の信頼を置いていて、デモカーでも必ずチョイスしているレカロ製のフルバケットタイプ。追加メーターはミラーから吊り下げるタイプを採用しており、非常にスマートな仕上がりだ。

エアロパーツはORIGIN製フロント&リヤバンパー、サイドステップ、GTウイングをチョイス。ヘッドライトは固定式4灯へと変更されている。

前後フェンダーは「帝王古口」ブランドのコグチパワー製でワイド化。ちなみにボンネットもコグチパワー製だ。

「S13系のボディは軽さが武器ですね。この180SXも約1100kgとかなり軽いですが、まだドアパネルやリヤゲート、ウインドウ類は純正のまま。これらを軽量パーツに交換するだけですぐ1000kg近くになります。これはS15とかでは真似できないS13系ならではの魅力でしょう」とは一柳さん。

450psというタイムアタック車両としては控えめなパワーでありながら、鈴鹿サーキットで2分20秒を切るその実力は、シルビアに精通したショップの緻密な作り込みの賜物だ。

●取材協力:ジークエンデルング 滋賀県東近江市蛇溝町1118-1 TEL:0748-22-2003

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