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1000馬力とジェリコミッションで怒涛の加速!
心臓部はVG30DETT改3.3L+T67-25Gツインターボ仕様
まるで戦闘機のような、威圧感溢れる風貌を持つこのZ32。ゼロヨンスペシャルとして、オーナーが時間をかけてステップアップさせてきたクローズドコース専用のチューンドだ。
エンジンは焼き入れを行って絶対的な強度と安定性を確保した新品ブロックに、JUNのカスタムキットを組み込んで3.3L化。カムはワンオフの280度、タービンはT67-25Gを選び、8300rpmでシフトアップする1000ps/100kgm仕様だ。
ヘッドライトユニットはアルミパネルに変更して簡素化。各サブフレームにも徹底的に穴が開けられ、肉抜きが行われている。ボンネットステーといった小さなパーツの贅肉も例外なく削られ、トータルで大幅な軽量化に繋がっている。
この車両はTバールーフ車だったので、重いガラスパネルはアルミ板などで製作したパネルに変更。また、市販品をベースに加工したロールケージや開口部へのリベット補強によって、剛性不足を補っている。
ミッションはクラッチレスのジェリコに換装。ドライビングはシビアになるが、アクセルを踏み切ったままシフトチェンジできるのでシフトラグがなく、タイミングさえ掴めれば大きな武器になるという。
リヤウイングは大型のドラッグタイプをアルミ板でワンオフ製作。リヤバンパーには軽量化とパラシュート効果の低減を狙った、エアベンチレーションダクトが設けられている。
ゴール後の減速区間が短いセントラルサーキット仕様ということもあり、ブレーキングにはドラッグシュートも併用する。
外観で大きなインパクトとなっているのがリヤフェンダーだ。元々、グローバルのZ32用オーバーフェンダーを装着していたが、それでも極太のドラッグタイヤが収まり切らず、その上に汎用フェンダーを追加。さらにタイヤハウス内も大加工して、タイヤのストロークを確保しているのだ。
前後の重量バランスはフロント4:リヤ6辺りが理想と考えているが、微調整はラゲッジスペースに搭載したウエイト代わりのブレーキローターで行う。1枚あたりの重さは9kgで、コーナーウエイトゲージを使っての計測・調整も行っている。
重要なリヤタイヤは、15インチにホイール径を落とした上で325/50-15という超極太のフージャー製ドラッグラジアル(DOT規格)を履く。
取材時のベストタイムは10秒109。グリップしにくいセントラルでこのタイムならば、ドラッグ専用コースならば軽く9秒台に入る実力だ。生粋のドラッグ戦闘機、カッコ良すぎる!(OPTION2誌2014年5月号より抜粋)
●取材協力:エキスパート 兵庫県加古郡稲美町六分-1183-106 TEL:079-496-2231
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