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GT風ワイドボディでレースを楽しむ大人のお遊びマシン
ボディが大きすぎてスリップストリームのターゲットに!?
耐久レース用に製作されたカプチーノの登場だ。FR駆動の過給機付きということでカプチーノをベース車に選んだそうだが、とにもかくにもエクステリアが凄まじい。
スーパーGTマシンを彷彿とさせるワイドフェンダー仕様のエアロは全てワンオフ。拡幅は片側70mmにもおよび、強烈なダウンフォースを発生する空力パーツとの相乗効果で、高速コーナーでの安定感はピカイチだ。
全幅を拡大しまくっているため、リヤにはシルビアサイズのGTウイングが違和感なくマッチする。
エンジンは、前期型のためアルトワークスと同じF6Aが収まる。鋳鉄ブロックでチューニングベースとしてのポテンシャルも高く、“スズキ版のL型”と呼ばれるほどだ。このマシンはエコラン仕様のためエンジン内部には手を入れず、ECUも燃費とパワーを両立する方向でセッティング。
クーリングチューンも徹底。フロントバンパーはセンター開口部を大きく設計し、前置きインタークーラーやエアクリーナーにフレッシュエアを効率よく導けるように配慮している。
排気は純正触媒(中抜き)+ワンオフマフラーのフルストレート仕様で、過給圧は0.7キロと控えめながら74psをマークする。
トランクルームにはコレクタータンクや燃料ポンプを美しくレイアウト。ちなみに、耐久レースでは回転をセーブしていることもあり、燃費はリッター約10キロというから恐れ入る。
センターコンソールにはデフィの追加メーターを4連マウント。エアコンレスのためルーフにジムニーターボ用のダクトを追加し、走行風でドライバーを冷やしている。
ボディはフルスポット溶接増しを施した上で、6点式ロールケージも溶接留めでフィニッシュ。本格的な剛強ボディを作り上げているのだ。
足回りは、オプショナル豊和の車高調にフロント8kg/mm、リヤ6kg/mmのスプリングを装備。ブレーキパッド&ホースはアクレ製をチョイス。ホイールはボルクレーシングTE37(14×6.5J±0 スペーサー30mm追加)で、タイヤにはアドバンA050(185/60-14)を組み合わせる。
実際に完成して走らせてみたところ、このワイドボディが仇(抵抗)となり最高速が伸びず…。さらに、スリップを使うライバル勢から、「あのカプチーノの後ろに付いて走ると燃費が伸びる」と言われれるというオチもあったり。
とはいえ、撮影にお邪魔した筑波サーキットコース1000では44秒台でラップするなど、本気で走ればその戦闘力はやはり侮れず。見た目も走りも楽しめる、大人のお遊びマシンに仕上がっているのだ。