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シリーズ&シーンで変わる設定を完全トレース!
1979年に公開されたマッドマックスは、オーストラリアを舞台にした近未来バイオレンスアクションの金字塔。その独自の世界観は、その後国内外多くの作品に影響を与えたと言われている。中でも主人公が乗るインターセプター(ブラックパシュート)は世界的に人気があり、多くのレプリカが作られているメジャーな存在だ。今回は国内のマッドマックスマニアが駆る3台のインターセプターを取材。その細部を順に見ていこう。
マッドマックスマニア達が駆るV8インターセプターレプリカ
冒頭5分にのみ登場する激レアフォルムを世界一のリアル度で再現
マッドマックスの世界でインターセプターと言えば、黒いフォードファルコンXB GTをイメージする人が多いはず。当然、レプリカもシリーズ1仕様がメジャーなのだが、このインターセプターはシリーズ2の冒頭5分にのみ登場するスタイリングで再現されているのだ。
ポイントとなるリヤスタイルは、トランクやリヤウインドウを取り外して2本のガソリンタンクとジェリ缶をセット。もちろん、フロントもシーズン2冒頭に合わせてアンダースポイラーを撤去済み。このスタイルは、世界一のインターセプタービルダーとの呼び声が高いオーストラリアのゴードン氏が手掛けたもので、世界的にも最も再現度の高いインターセプターの1台と言われている。
特徴的なスーパーチャージャーも、シリーズ1はウエイアンド製だがシリーズ2ではSBCクラガー製に変更されている。その他、サイドマフラーやオーバーフェンダーなどのボディスタイルも忠実に再現、シリーズ1とは違うリヤホイールもしっかりと劇中に合わせている。
ステアリングコラム上に設置されるのは、後付けのフューエルゲージ。隣のレッドランプはガソリン警告灯だ。
乱雑に見える車内も、実は劇中の仕様を再現しているポイント。段ボール箱も本物さながらの海外製で、こうしたディティールへの拘りが、世界一のリアル度と言わしめる特徴なのだ。
マッドマックス2で登場していた犬は“ぬいぐるみ”で助手席へ。ドッグフードの缶詰は実在する製品ではないため、劇中に合わせたパッケージで再現されている。
公開当初に憧れた初期仕様のインターセプター
劇場に足を運び、シリーズ1を7回、シリーズ2を8回も観たという生粋のマッドマックスファンの相棒だ。偶然売りに出ているインターセプターを発見したのが運の尽き、欲しい欲求に従って即購入したそうな。
シリーズ1仕様として製作されたエクステリアは、ルーフスポイラーなど全てスチール製のワンオフ品で武装。フロントカウルはアメリカのビルダーが製作したものを装着している。今後は、前オーナーが拘って作り上げたフォルムを受け継ぎ、マッドマックスの独特な世界観を満喫していきたいそうだ。
実は快適なトヨタV8スワップ仕様のインターセプター
日本のマッドマックスファンにとっては、伝説的存在になっているオーナーの愛機だ。心臓部はアメリカンV8…ではなく、まさかのトヨタ製V8仕様。合わせてミッションもオートマの快適クルージングスペシャルに仕上げられているのだ。
ウエイアンド製のスーパーチャージャーはダミーだが、モーターでプーリーを稼働してスピーカーで吸気音も再現するギミックを組み込んでいる。何でも元々積んでいたビックブロックがブローし、オーバーホールの間を埋める意味でトヨタのV8をスワップしたものの、あまりに快適で満足してしまったのだとか。
劇中では奥さんと子供の写真が貼られているホーンボタンには、主人公の奥さん役“ジョアン・サミュエル”のサインが! 無線など小物もしっかりと再現されている車内だが、国産エンジン換装に合わせてエアコンも近代化。ミッションはオートマだがシフターはMT風にアレンジされている。