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RE雨宮との出会いで走り屋魂が再燃!
オーナーが時間をかけて育て上げたオートポリス攻略機
オートポリスでのタイムアタックに精力を注いでいるFD3Sの登場だ。
オーナーは、若い頃は三菱GTOで別府の某峠を攻めまくっていたという。重く、曲がらないと定評のGTOを駆り、週5日ペースで峠を走るとはなかなかの強者だが、ある夜、道に飛び出した小動物を避けようとして大クラッシュ。自身も病院に担ぎ込まれる事態となった。
親からは「公道で無茶するからだ、バカモン!」と叱責されるも、根っからのポジティブ志向だったオーナーは「なるほど、つまりサーキットに行けということだな」と解釈。新たな相棒として3型のFD3Sを後輩から8万円で購入し、そのままの勢いでオートポリスデビューを果たす。
当初はサイドポート拡大加工+TD07-25Gタービンという仕様だったが、原因不明のエンジントラブルが頻発し、5年近く冬眠状態に。さすがに本人もやる気が削がれ、復活を断念しかかっていた時、知人を通じて紹介されたのがRE雨宮だった。
この出会いがオーナーのロータリーライフを変えた。“ロータリーの神様”の手による手術を受けたFD3Sは、トラブル知らずのストレスフリー仕様へと完全に生まれ変わったのである。
ちなみに、現在のエンジンスペックは、ブリッジポートにT88-34Dタービンをセットした533ps仕様。アペックスシールは3ピースの強化タイプが奢られ、燃料系には1000ccインジェクターやBNR34用ポンプを採用。さらに、駆動ロスの低減を目的にパワステは油圧から電動に変更されている。
エクステリアは、名門ロータリーチューナーのエアロパーツを組み合わせたミックス仕様。軸となるボディキットはRE雨宮製で、そこにパンスピード製フロントフェンダーやマジック製カーボンハッチゲートなどを組み合わせる。サイドウインドウはポリカーボネイトに変更済みだ。
GTウイングは1960mm幅のバーチカル仕様で、翼端版にはドライカーボンを採用。ちなみに、青味がかったホワイトのボディカラーはフェラーリのビアンコだ。
一方の室内も、エクステリア同様にスパルタンな仕上がり。シフトレバー後方のオレンジレバーはブレーキバランサー。その先にあるのがSW20用電動パワステユニットだ。ちなみに取材時は純正ミッション仕様だったが、後にヒューランド6速シーケンシャルドグに変更している。
ボディメイクもレーシングカーさながらの超本気仕様。フルスポット増しを施した上で、ワンオフのフル溶接留めロールケージをセット。さらにサーキット走行に不必要な装備は全て撤去し、ドアパネルも内側フレームを一部排除。これにより、車重は1078kgまで絞り込まれている。
足回りはRE雨宮のクァンタム車高調を軸に構築。ホイールはボルクレーシングZE40(18×11J+15)で、タイヤにはアドバンA050(295/35R18)を組み合わせる。PPFやサスメンバーももちろん強化済み。LSDはOS技研のスーパーロックLSDだ。
ブレーキはフロントがアルコンキャリパー+プロジェクトミュー355mmローター、リヤがapキャリパー+330mmローターという組み合わせ。ブレーキマスターもセンティア用を使って容量アップしている。
「かなり遠回りしちゃいましたけど、RE雨宮に預けてから本当にクルマが別物になりましたよ! 今では前向きにサーキット走行を楽しんでいます」と語るオーナー。
実のところ、オーナーは駅伝特待生として高校に進学したほどのスポーツマンで、サーキットアタックは陸上でタイムを削って行く感覚に近いものがあるのだとか。
現在のベストタイムは1分57秒848。RE雨宮の手によって蘇ったFD3Sが果たしてどこまでタイムを伸ばしていくのか、その動向には注目だ。(OPTION誌RX-7総選挙より抜粋)