目次
誰にでも真似できるクルマ作りがコンセプト!
ワンオフパーツ一切無しで速さと快適性を両立する老舗の技
老舗のロータリーショップとして、様々なカテゴリーで名を馳せてきた“パンスピード”。RX-8メイクにも意欲的に取り組み、3ローターNAペリフェラルポートエンジンを搭載するタイムアタック仕様を製作するなど、そのチューニングの可能性を模索してきた。
そんな同店が手掛けた後期型のRX-8は、意外にもストリート仕様のライトチューン。これまで培ってきたノウハウをベースに、自信を持ってユーザーにお勧めできる市販パーツのみで構成しているのだ。
心臓部の13B-MSPは、オーバーホールと同時にポート径をわずかに拡大しているが、「ポートについては、高回転を伸ばすのではなく、あえて中間トルクの向上を狙った形状にしています。ECUの現車合わせセッティングと併せることで、最高出力は約240psほどです」とのこと。なお、レブリミットは9000rpmの設定だ。
遮熱効果があるシールド付きのブリッツSUSパワーは、メッシュタイプなので吸気効率も非常に高い。さらに、メンテナンスフリーで使えるというのも、ユーザーにお勧めできる大きな理由の一つとなっている。
オーバーハングの重量物となる純正バッテリーは、小型のリチウムイオンタイプに変更した上でバルクヘッド側に移設。
排気系はオリジナルの3-1集合EXマニとスポーツキャタライザー、左右出しのマフラーをセット。大型タイコを採用することで、優れた排気効率とジェントルなサウンドを両立した。エンジン回転の上昇と連動して、心地の良いエキゾーストノートを奏でる。
足回りは、ザックスベースのオリジナル車高調でセットアップ。スポーツラジアルタイヤでの使用を前提に仕様が煮詰められ、フロント10kg/mm、リヤ8kg/mmのスウィフト製スプリングが組み込まれる。乗り心地を考えてブッシュはノーマルのままというから、そのコンセプトに合わせたマシンメイクは徹底している。
リヤサスペンションは十分なストロークが確保されており、抜群のトラクション性を誇る。機械式LSDは、効きがマイルドなOS技研のスーパーロックLSD(2WAY)を選択。ファイナルは4.7だ。
絶対的なグリップ力を考えると太い方が有利というタイヤは、285サイズを前後通しで装着。ホイールは軽量&高剛性なボルクレーシングZE40(FR18×10.0J+39)を組み合わせる。フェンダーは前後ともツメ折り済み。
後期純正バンパーに追加したリップスポイラーは、純正フォルムを崩さないデザインながら空力面にも拘って製作された逸品。ダウンフォースがかかっても脱落しないよう、コネクティングロッドで固定される。
室内は快適そのもの。現車合わせセッティングのオリジナルECUでは、電動ファンの始動温度も変更される。DRLアルミラジエターを装着していることもあり、サーキットでの連続走行時も水温は80度中盤で安定するそうだ。
過給機付きのような刺激はないが、ピークよりも中間トルクを重視したというエンジン特性はサーキットでも強みとなっており、軽量化なし&ラジアルタイヤ装着で筑波サーキットを1分4秒台でラップする。費用対効果を考えると十分すぎるポテンシャルだ。
●取材協力:パンスピード 埼玉県蓮田市関山2-7-8 TEL:048-764-2040
【関連リンク】
パンスピード
http://www.panspeed.jp