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レスポンス重視のセッティングで1分42秒台をマーク!
進化を続けるオーテックツカダBNR34アタック仕様
筑波スーパーラップ時代から、GT-Rオンリーで最速争奪戦を闘い続けている“オーテックツカダ”。今回の主役は、富士スピードウェイ1分42秒881というベストタイムを持つデモカーのBNR34だ。
このチューンドの開発に際して、オーテックツカダが取り組んだのは「マシンメイクに対してドライバーの細かな要望を全面的に聞き入れる」ということだった。
「以前の2.8L+GT-RSツイン仕様では、“100Rからヘアピンコーナーに向かう区間でのエンジンレスポンスが良くない”と言われていたの。低回転域でNOSを吹いてたりしたけど、根本的にタービンサイズが大きすぎたんだよね」とは塚田さん。
そこでタービンを、GT-RSからワンサイズ小さいGT2835へとスイッチ。同時に各部に手を入れ、レスポンス重視でリメイクしたのである。
最高出力はGT-RSツイン仕様から50ps近いパワーダウンとなったが、中回転域のレスポンスが大幅に向上したことでタイムは向上。ドライバーを務める木下みつひろ選手も、格段に走りやすくなったと太鼓判を押しているほどだ。
ちなみに組み合わせるNOSは、N2Oと燃料を同時に噴射するウエットショット式だ。全域でのドーピングではなく、ターボのインターセプトまでをアシストする形で噴射制御している。マネージメントはF-CON Vプロが担う。
足回りはオーテックツカダオリジナルの仙脚ダンパーキット(F12kg/mm R14kg/mm)でセットアップ。これにアライメントの微調整を加えつつ、ブッシュの無駄な動きを防ぐためにマルチリンクカラーが取り付けられたオーソドックスな仕様だ。
一方のブレーキは、信頼性が高いオリジナルのATTKDシステムキットを導入。フロントが8ポット&356mmローター、リヤが6ポット&356mmローターの組み合わせだ。
ホイールは前後ともに ボルクレーシングTE37SLの11J。タイヤはハンコックのヴェンタスTD(Sコンパウンド)で前後に295/30-18をセットしている。
室内はロールケージが張り巡らされ、非常にレーシーな作りだ。各部の贅肉を削ぎ落として軽量化を推進しているが、ロールケージ等の重量増もあって実測車重は約1450kgと極端に軽いわけではない。ミッションはホリンジャーの6速シーケンシャルドグで、富士攻略のために3.1ファイナルを組み合わせている。
取材中、試しにホームストレートでの最高速を計測してみたところ、結果は衝撃の293.65km/h。圧巻のスピードである。スペシャルなパーツを使うことなく、市販品の組み合わせだけで十分なスペックを手に入れることができる。このBNR34は、それを証明しているのだ。
●取材協力:オーテックツカダ 長野県長野市大豆島5862-1 TEL:026-221-3086
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