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主催者の意地を見せてラジアルクラスのレコードを樹立!
徹底的な軽量化とエアロダイナミクスの追求で380馬力を活かし切る
過熱する筑波タイムアタックバトル。冬になると全国各地からアタッカーが集まりコンマ1秒を賭けた戦いを繰り広げるわけだが、ここではその舞台の演出家であり主催者の“レディゴーネクスト”青木代表が駆るFD3Sにズームイン。ラジアルタイヤ最速となる55秒612(2022年1月15日)をマークしているレコードブレイカーだ。
独自のチューニング理論に基づいて細部まで徹底的に手が加えられているが、注目すべきは軽量化と空力だろう。
ルーフとフロント周りは大胆にドライカーボン化し、大幅な軽量化と同時に重量バランスも改善。各部にアウトレットダクトを設置して、“内圧と熱を抜く”というレーシングカーさながらの構造も採用されている。
リヤオーバーハングの下面はカット&フラット化して、エアロダイナミクスを推進。サスメンバーが丸見えのリヤフォルムは圧巻だ。エキゾースト環境は90φフルストレートのセンター出しとしている。
エンジンはレディーゴーネクスト自社でリビルトした13B-REW。TD06-25Gタービンをセットするが、エンジンの負担を増やさないことを考え、ブースト圧は1.0キロで約380ps程度。以前の常時ツインのブーストアップ仕様と出力差はほとんどないそうだ。
実際、パワーの指針となる最終コーナー計測ポイントの記録も194.84km/hと、以前から伸びていない。
燃料タンクは純正を廃して、小型のATL安全タンクをラゲッジに設置。なお、燃料にはスノコGTプラスというハイオク系のレースガスを添加している。エンジンオイルもスノコのBRILLだ。
室内はスパルタンな作り込みだ。内装パーツは完全撤去し、ダッシュボードやメーターパネルなどは重量増にならぬようカーボン板でリメイクしている。
ミッションはHKSのシーケンシャルドグを投入。駆動系は、ORCツインプレートクラッチにATSカーボンLSDを組み合わせ、ファイナルは筑波に合わせて4.7をセットしている。
足回りは、DG-5ベースのレディーゴーネクスト専用モデルを軸にセットアップ。前後ともにバネレートは16kg/mm。アーム類はサスペンションに入力される負荷に対して、リニアに足を動かすことを目的にフルピロ化。ブレーキはエンドレス製をベースにしたRGN-CTA MONO4キットで強化を図る。
タイヤはポテンザの12DタイプA(55秒612樹立時)。サイズ設定の関係で265/35R18を履いているが、それでもコースレコードを生み出せる高性能なモデルだという。ホイールは、エンケイのスーパーGT用モデル「RAシリーズ」の市販バージョンとして開発されたGTC02。サイズは前後ともに18インチの10.5Jだ。
記録達成時は「アタック主催者としての面目が保たれた!」と大喜びしていた青木さん。今後もさらなる記録更新を狙いつつ、タイムアタックの楽しさを伝える伝道師として業界を盛り上げていってくれるはずだ。
●取材協力:レディーゴーネクスト 茨城県稲敷市柴崎6731 TEL:0297-85-5741
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レディーゴーネクスト
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