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人気チューニングベースの冷却ポイント&ノウハウ集
人気チューニングベースの推奨温度域&限界値を紹介。実力派チューナー達がその経験値から導き出した温度域を参考に、今後のクーリング対策に活用していこう。
GT-R(R35) × VR38DETT
●取材協力:フェニックスパワー福井店 福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980
水温:推奨温度域 81~85度/限界温度域 99度
純正ラジエターの性能が非常に高いため、よほどハイチューンスペックでない限りは交換の必要はないが、クーラントは定期的に交換するのが望ましい。またフェニックスパワーでは水温が上昇した際、その温度に応じて点火時期を変更するセッティング対策も行っている。
油温:推奨温度域 85度/限界温度域 120度
純正で大型のオイルクーラーが装着されているため、ストリートレベルでは全く問題なし。しかし、サーキットで連続走行するならばオイルクーラーを追加し、ダブルコアのシステムを構築するのがベターだ。オイルに関しては純正の5W-40に対して、同質の10W-50、もしくはその範囲でブレンドしても良い。
スカイラインGT-R(BNR34) × RB26DETT
●取材協力:ガレージ八幡 愛知県半田市上浜町10-20 TEL:0569-26-1660
水温:推奨温度域 82~92度/限界温度域 100度
スポーツ走行時においても、推奨温度域で安定させたいならラジエターの交換はしておきたい。一方、ローテンプサーモスタットを導入している車両は多いが、水温の変動が激しく、ストリート走行においては水温補正が入ってアイドルコントロールに悪影響を与えることもあるので注意したい。
油温:推奨温度域 80~100度/限界温度域 105度
メタル保護の観点からも、高性能オイルとオイルクーラーの設置は必須項目。ノーマルエンジンの場合は油圧が低くなる傾向にあるため、オイル粘度のコールド側が5Wといった低粘度オイルは避けた方が良いとのこと。(※ここでの推奨&限界温度域はオイルクーラーで冷却した後の温度を示している)
フェアレディZ(Z34) × VQ37VHR
●取材協力:カーメイキングレヴュー 千葉県袖ヶ浦市長浦580-74 TEL:0438-60-3133
水温:推奨温度域 80~100度/限界温度域 110度
純正はバンパー開口部が小さいため、開口面積が大きいフロントバンパーやクーリングダクト付きのボンネットに交換するだけでも冷却効果は向上する。また、電動ファンの作動温度が100度前後と高いため、ECUを書き換える際に作動温度を下げておくのも有効だ。
油温:推奨温度域 100~120度/限界温度域 130度
水温同様、油温もヒート傾向が強いため、サーキットを走るならばオイルクーラーの追加は絶対。また、NAスポーツなので柔らかめのオイルでレスポンスアップを狙いたいところだが、高負荷を連続させて走るような場合には少し硬めのオイルをチョイスしたい。
シルビア(S15) × SR20DET
●取材協力:ヤシオファクトリー 埼玉県草加市青柳2-4-5 TEL:048-948-7140
水温:推奨温度域 80~90度/限界温度域 100度
ライトチューンレベルで、正常(良好)なコンディションの車両なら、一般的な冷却チューンでサーキット走行も難なくこなせるはず。水温がすぐ上がるという車両は、ブロックが歪んでシリンダーが傷ついたり、ガスケットが軽く抜けていたりと、根本的なトラブルを抱えている可能性が高い。アルミブロックは歪みが起こりやすいので、とにかく水温を100度以上に上げないという管理がライフを伸ばす。
油温:推奨温度域 80~120度/限界温度域 130度
有名ブランドでも、量販店の格安オイルは極端に寿命が短くチューニグカーには向かない。その点では、似た価格帯でもチューニングブランドの普及型オイルの方が成分面で安心だ。ちなみに、ターボ車はタービン潤滑でオイルが高温にさらされ、オイル劣化が起こりやすいためこまめなメンテナンスが重要だ。
RX-7(FD3S) × 13B-REW
●取材協力:Rマジック 神奈川県相模原市中央区田名3530-1 TEL:042-764-7077
水温:推奨温度域 80~90度/限界温度域 110度
油温に引っ張られて水温も上がりやすいため、開口部の大きなバンパーや効果的なアウトレットダクトを持つボンネットの装着がとても効果的。また、各メーカー&ショップがリリースしているインタークーラーとラジエターをVの字で配置する製品を導入し、水温と同時に吸気温度を下げることもRX-7では重要だ。
油温:推奨温度域 80~100度/限界温度域 125度
5型6型のRBグレードのようにオイルクーラーが一つしか設置されていないモデルの場合は、まずオイルクーラーをツイン化することが必須。それでも油温が100度を突破するようなら、全開走行は避けてクーリングに徹することが13B-REWを壊さない秘訣だ。
RX-8(SE3P) × 13B-MSP
●取材協力:Rマジック 神奈川県相模原市中央区田名3530-1 TEL:042-764-7077
水温:推奨温度域 80~90度/限界温度域 110度
最もパワーが出るのは80度台で、90度を超えると徐々にパワーダウンが始まっていく。例に漏れず、RX-8も油温が水温に大きな影響を与えることは忘れてはならない。13B-REWほど厳しくはないが、高機能エアロパーツやハイフローウォーターポンプ(R-Magic製)、プロピレングリコール含有量の多いクーラントの導入などが効果的だ。
油温:推奨温度域 80~100度/限界温度域 125度
前期型はシングルオイルクーラー仕様(後期型はツイン化されている)だ。そのため、ストリートでも油温はヒート傾向が強く、それに引っ張られて水温が100度を超えることもある。最低限オイルクーラーの増設を行い、それでも足りないようなら、エアロパーツに合わせたエアガイドの設置やインナーフェンダー側ダクトの拡大などを考えたい。