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ドゥーラックらしいハイセンスな造形美
GT-Rを愛し続ける気持ちはエンドユーザーと共に
このBNR34は実力派ビルダー“ドゥーラック”の伊藤代表が新車から乗り続けている宝物であり、これまでに数多くのオリジナルパーツを生み出す原動力にもなったデモカーだ。
2002年の東京オートサロンでスポーティカー部門の優秀賞に輝き、その年のSEMAショーでも高い評価を獲得するなど、数々のメジャー舞台で活躍。そうした背景から、世界的に知名度が高いチューンドRの1台となっている。
エンジンは排気量を2.8Lに拡大し、HKSのTO4Zタービンやニスモのサージタンクなど手堅いパーツセレクトでまとめた670ps仕様。ストリート仕様としてトラブルの心配もないチューニング内容は、まさに今GT-Rオーナーから求められているものと言える。エンジンマネージメントはF-CON Vプロが担う。
アルミ製のタワーバーは、剛性アップのみならずGT-Rのエンジンルームに相応しいデザインまでを追求したオリジナル。アルミ無垢の質感がスパルタンな印象を醸し出す。
サスペンションは、HKSのハイパーマックスダンパーPROにイケヤフォーミュラのアーム類を組み合わせる。ブレーキはアルコンのモノブロックシステム(F6ポットキャリパー+355mmローター/R4ポットキャリパー+315mmローター)で強化を図っている。
ホイールはドゥーラックオリジナルの“Double-Six(ダブルシックス)”。前後とも10Jの18インチで、タイヤには265/35-18サイズのプロクセスR1Rを組み合わせている。
トランク下部には、トラクション性能を安定させるための大容量デフオイルクーラーを配備。スポーツ走行まで視野に入れたメイキングが各部に施されているのだ。
サイドシル下面には、オリジナルのフロアサポートバーをセット。トータルの剛体感を飛躍させながら、車体前後の動きを同調させることができるボルトオン補強パーツの決定版だ。
エクステリアはほぼ全てオリジナルのエアロパーツで統一。GT-Rの気品を失うことなく、戦闘力の高さを想像させる絶妙な仕上がりを見せている。特徴的なカラーリングはオリジナル調合のスカイブルーパールだ。
センター部をわずかに高くしたボンネットは、内部に走行風の流路が設けられたドゥーラック渾身の作。ボンネット後端のエアアウトレットで発生する負圧を利用し、NACAダクトから取り込んだフレッシュエアごとエンジンルームの熱気を強制排出するシステムが組み込まれている。
リヤバンパースポイラーは、下部にVスペック用のリヤディフューザーをセットできる形状。マフラーはメイン90φで大型サイレンサーを備えたフルストレート仕様。テールエンドはバンパー焼けを防止する意味でドルフィン形状が採用されている。
室内にはストリート用のボルトオン補強パーツとして開発された簡易ロールケージの“リヤテンションケージ”をインストール。シートは両席ともAARのアラコに変更し、レーシングハーネスにはチームテックの3インチモデルを奢る。
「あえてターゲットステージを設けず、僕の“好き”を詰め込んだオールラウンダーって感じですね。ドゥーラックの歴史そのものでもあり、大切な相棒です」とは、ドゥーラック伊藤代表。
D1GPや筑波アタックなど、ステージを問わず様々なシーンで活躍を続けるトップチューナーの愛機。何よりも「オールラウンダー」という彼の言葉がどれだけ真に迫ったものであるかは、クルマを見るだけでよく分かるというものだ。
●取材協力:ドゥーラック 神奈川県横浜市都筑区大熊町152-1 TEL:045-471-0500
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