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鈴鹿2分10秒2の実力は伊達じゃない!
目標タイムをクリアするまではチューニングを封印!?
295サイズを収めたワイドボディ、サイドバーまで備えたダッシュ貫通ロールケージ、そして助手席に搭載された無骨な安全タンク…。本気系アタッカーのオーラを全身から放つ“デュ・ヴァン”のFD3Sだが、意外にも心臓部は13Bチューン定番のゼロロク仕様と控えめで、ミッションもフルクロス化されているとはいえ、Hパターンのままとなっている。
これは“ユーザーカーの延長線上でタイムを削る”というコンセプトに加え、コーナリングスピードの高さを武器とするFD3Sという素材の煮詰めから取り組んでいるためだ。
心臓部の13B-REWは、耐久性を考慮したサイドポート拡大+TD06-25Gタービン仕様だ。最高出力はブースト圧1.0キロ時に418psを発揮。エンジンマネージメントはアペックスのパワーFCが担う。
FD3Sの武器であるコーナリングスピードを底上げするために、マジック製のキットを用いてワイドボディ化を敢行し、前後11JのボルクレーシングTE37SL&295サイズのタイヤを組み込んでいる。
軽快さを左右する車重に関しては、アクリルウインドウなどを投入して1070㎏までシェイプアップした。サスペンションはHKSのハイパーマックス。ブレーキはフロントにトラストの6ポットキャリパー+330mmローターで強化済みだ。
10点式ロールケージと助手席位置にマウントされた安全タンクが本気仕様を物語るインテリア。オフシーズン中にボディ補強を行ったそうだが、過度の剛性アップによるバランスダウンを避けるために、ストラットタワー周辺などフットワーク性能に関わるポイントのみとしている。
エンジン同様、空力に関してもユーザー目線を意識するが、トラクションに影響するリヤウイングはフレーム直付けのバーチカルマウント式を採用。ちなみに、ステーのサクラ模様はオーナーの名前にちなんで抜き取ったものだ。
現状からのタイムアップだけならタービン交換や、シフトロスが少ないシーケンシャルミッション、空力強化で簡単に達成できるのだが、完成度の高いアタックマシンへと導くべく、まずは現状のパッケージングで鈴鹿2分10秒切りを目標に設定している。
取材時(2019年12月)は補強後のシェイクダウンということもあり、タイムは2分11秒340でフィニッシュ。ベストの2分10秒2を更新することはできなかったが、自らに課した封印を解き放ち、大幅なタイムアップを果たす日は近いだろう。
●取材協力 ガレージ・デュ・ヴァン 岐阜県安八郡安八町南條1288-1 TEL:0584-63-1075
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