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色褪せない魅力を放つチューンドBNR34!
高回転&高過給の楽しさを満喫できるメカチューン+ビッグシングル仕様
通称“きいろボン”と呼ばれるこのBNR34は、“フジムラオート”のデモカーの中ではかなりクローズドコースに振った仕様で、かつては各地のサーキットで暴れまわった名物チューンドだ。
「サーキットを走らせるのは1年半ぶりくらいかな。基本的には10年以上前にセットアップしたままで、その後はほとんど手を加えていません」とは、フジムラオートの藤村代表。
RB26チューンの全盛期にデータを蓄積するために、エンジン仕様は2.6からトラスト2.7、HKS2.8と変更を繰り返し、タービンも様々なタイプをトライ。
現在の仕様は、2.6Lというストック状態の排気量ながら、ほぼフルチューンと呼べるもの。腰下には東名パワードの鍛造ピストンにHKSのH断面コンロッド、クランクは純正バランス取り&WPC処理を施してセット。ヘッドはポート研磨や燃焼室加工が施され、JUNの280度ハイカムを装着している。
サージタンクはトラストの大容量タイプ。燃料系は2連のボッシュ製ポンプで、サードの1000ccメインインジェクターをドライブさせる。
タービンはポーテッドシュラウドが特徴的なHKSのTO4Zで、A/Rは0.81を選択。これに1.8キロの最大ブーストを掛けることで700psをきっちり絞り出している。マネージメントはF-CON VプロによるDジェトロ制御だ。
ハイパワーに合わせて、冷却系もキャパシティアップが図られる。ラジエターはARCのサイドフロータイプで、ウォーターポンプはN1用に変更。オイルクーラーはトラスト製をデュアルで装備している。
ワンオフのチタン製フロントパイプから繋がるエキゾーストマフラーは、フルチタン素材の採用で排気効率の向上と軽量化を追求したロケットダンサーのストライカー。パイプ径は80φで、テールは115φシングルだ。
オリジナルのロケットダンサーサスキットは、アペックスN1ダンパーをベースに専用セッティングを施したもので、バネレートは前後18kg/mm。ブッシュ類は全てピロボール化されており、かなりサーキット寄りのセッティングとなっている。LSDはリヤにクスコのRSを組み込んでいる。
フロントブレーキはN1耐久スペックの鍛造ブレンボに370mmローター、リヤはトラストのアルコンキャリパーに320mmローターという組み合わせ。パッドは制動屋をチョイスしている。ブレーキダクトもしっかりとセットされ、サーキットを強く意識した仕様だ。
レッドカラーが眩しいホイールはボルクレーシングTE37RT(11J+17)で、タイヤにはテスト的に295幅のアドバンネオバをマッチング。本来はアドバンA050を愛用している。
バックスキンのKEY’Sステアリングにレカロのシートという王道的なパーツで構成されたインテリアには、もちろんエアコンとオーディオもしっかり装備。EVCプロなど旧世代のパーツも残されているが、その性能は現在でも一線級だ。
テストドライブを担当したレーシングドライバーの谷口信輝選手は「久しぶりのBNR34だったけど、R35に比べてクルマが軽くて面白いね。700psのパワーに不足はないけど、パワーバンドが5000rpm以上という高回転型の特性だからターボラグが結構気になるかな。足は本来のSタイヤで走ってみたかった。確実にそっちの味付けだったからね!」とコメント。
「RB26DETTチューンは一段落と自分では思ってましたが、今回のテストで再びやる気が出てきました。第二世代GT-Rは保存系のオーナーが増えていますが、そんな人たちの心を揺さぶるような面白い仕様を提案していきたいですね」と藤村代表。全盛期の輝きを放つこのGT-Rのさらなるアップデートが楽しみだ。
●取材協力:フジムラオート 京都府京都市南区上鳥羽卯ノ花65 TEL:075-661-9393
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