「異色のロータリーチューンド、見参」ウエストフィールドに13BハイコンプNAユニットを搭載!

軽量キットカーのボディに290馬力のREユニットを搭載

ノスタルジーと先進性を併せ持つ唯一無二のシルエット

取材中、通りかかったスポーツカー好きとおぼしき人から「これはどこの国の、なんてクルマですか?」と尋ねられた。

ロータス・スーパーセブンを模した英国『ウエストフィールド』ベースのチューニングカーだと答えると、驚いた様子で、しばらく2011年の東京オートサロンを席巻した“RE雨宮”の超大作を眺め続けた。どこぞの国のクラシックスポーツとでも思ったのであろうか。

フォーミュラ風のフロントウイングを擁するロングノーズバンパー、流線的なヘッドライトおよびバックミラー、そして独創のエアロスパッツ。ノスタルジーと先進性を併せ持つこのシルエットは、まさに唯一無二。圧倒的な存在感だ。

パワーチューニングも抜かりはない。フロントミッドに搭載されるパワーソースは、スーパーGT用に開発された13Bペリハウジングと、FC3S輸出用ローター(圧縮比9.7)のタッグによるハイコンプNAスペック。600kgというライトウエイトボディとの組み合わせを考慮し、ピックアップ重視の293ps仕様に仕上げられている。

ノーマル同様、マフラーはサイド出しを採用。エンジンやEXマニに合わせたワンオフ品で、タイコ部にパンチング材を被せることにより、レーシーな雰囲気を演出している。

そんな珠玉のパッケージを活かし切るべく、ドライブトレインをはじめとする各ファクターも徹底強化済みだ。ミッションには希少な5速直のSA22C用スポーツキットを使い、デフはNA8CE用を加工流用する。

サスペンションはクァンタムで特注した上、スプリングにはハイパコ(F6kg/mm R4.5kg/mm)を導入。アーム類は純正を使っているが、強度に不安があったため、アルスター部材を溶接して足すことで補強。そう、このスーパーVIIは、単なるショーカーではなく、れっきとした実戦型ストリートファイターなのである。

ホイールは16インチのエンケイESターマック(F7J+40 R8J+43)で、タイヤにはアドバンA050(F205/50-16 R225/45-16)をセット。ブレーキはフロントにポルシェ996用4ポッドを移植している。

コクピットはコンソールパネルをカーボン板で再成形し、ノーマルと同じような位置に追加メーターを配置している。バケットシートはブリッド製で、突然の雨天対策として防水シートカバー仕様となる。

パワーウエイトレシオは一線級のスーパースポーツをも凌ぐ脅威の2.04kg/ps。そこから繰り出される動力性能は言わずもがなハンパではなく、下手なアクセルワークではまともにグリップしないというほどの暴れ馬っぷりだ。

「レーシングカートみたいな乗り味だけど、本当に楽しいよ。ロータス・セブンのレプリカってさ、大抵リヤサスがホーシングなの。本家がそうだから。でも、ウエストフィールドはダブルウィッシュボーンを採用してんの。だからコーナリング性能はピカイチ。サーキットでも速いと思うよ〜」とは、雨さん。

続けて「現在はね、俺の旧友が乗ってるの。ナンバーの取得と同時にカラーリングを変えた(オーナーの意向で)んだけど、これもカッコ良いよねぇ」。

チューニングの原点はクルマを楽しむこと。それを思い出させてくれるような官能性を秘めたウエストフィールド改、ともあれ雨さんの卓抜した想像力には脱帽だ。

●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007

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