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トルクフルな走りと強烈な加速! K20Aボルトオンターボ仕様に再注目
VTECターボのパイオニアが語る“美点”と“弱点”
各サーキットでFR最速タイムを樹立しまくったS2000ターボを筆頭に、VTECのターボチューンにめっぽう強い“トップフューエル”。
今回テーマにするDC5(K20A)では、GT3037プロSをドッキングした512psのデモカーを製作した過去を持つ。また、よりユーザーライクな仕様としてGT-RSタービンを使用した350psスペックや、トラストのボルトオンターボキットを軸にした仕様も数多く手掛けている。
「K20AはB型と比べると、まず排気量が大きいですし、パワーもトルクも出ていますよね。それにエンジン強度が高いですから、ターボ化はB型よりも適しているんです」とは、 トップフューエル森本メカ。
実際、K20Aはターボ化にあたって耐久性には問題が無く、ガスケット交換で圧縮比を落とせば400psにも十分耐えるそうだ。元々ハイカムがセットされるVTECエンジンは、その排圧の高さで大きなタービンを楽に回せる実力があるが、後方排気のK20Aはエンジンルームの制約が厳しいため、ビッグタービンの装着が難しいという制約がある。
そこで、T517Zタービンを核としたトラストターボキットの出番となる。この小径タービンのセレクトが思わぬ功を奏し、圧縮比を落とさないハイコンプターボとするため、レスポンスの良さを追求できるのだ。ボルトオン状態では最大ブースト圧0.4キロ時に約250psを発生するが、大容量インジェクターを合わせれば、より高いブースト圧にも対応。最大ブーストを0.7キロまで高めれば、ノーマルガスケットでも300psの大台に乗る。
K20Aのターボ化にあたり、重要なのが熱対策だ。前置きインタークーラー等の対策ををきちんと行なえばエンジン自体は問題無いが、後方排気ゆえ、タービン付近にあるブレーキやクラッチのマスターシリンダーにエアが噛みやすい。そのため、デモカーのようにエアダクトの新設やダクト付きボンネットへの換装といった対策は絶対だ。
インテークにはZERO1000パワーチャンバーを装備。NAチューニングに向けたパーツではあるが、レスポンス重視のハイコンプターボだけに吸気流速の向上は大きな意味がある。また、この車両はバッテリーをリヤラゲッジに移設していることもあり、ドレスアップ効果も持たされているのだ。
なお、トラストのターボキットにはプログラム済みのeマネージ・アルティメイトが同梱されていたが、トップフューエルではF-CON Vプロでの現車合わせを推奨。より綿密な制御が可能だからだ。
「ボルトオンターボはエンジンが壊れるイメージがあるやろ? でも、それは水温管理や熱対策をしっかりしてないからなんや。300psならミッションも問題ないし、何よりも素材の良いエンジンなんやからイジらない手はないで」とトップフューエル平野代表は語る。
NAフィーリングを残したまま、全回転域でパワーとトルクを上乗せできるK20Aターボチューン。豊富なVTECターボの実績を誇るトップフューエルだからこそ、その魅力をフルに引き出すことが可能なのだ。
●取材協力:トップフューエル 三重県松阪市中道町500-1 TEL:0598-56-5880
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