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全身からプレミアム感が溢れる欧州チューナー顔負けの作り込み!
過給機によるアシストで走りも文句なしのV35に昇華
直6のRBユニットからV6のVQエンジンに移行したことで、第三世代のスカイラインとも呼ばれるV35型。このモデルから、インフィニティブランドを冠した海外モデルの生産がスタートしたこともあり、US系カスタムベースとしても人気が高い。
その一方で、ターボモデルが存在しないこともあってか、チューニングシーンでは盛り上がりに欠けたのも事実。
しかし、3.5LのVQ35DEを搭載したフラッグシップグレード350GTの最高出力は272psとパワフル。さらに6速MTモデルも用意されるなど、チューニングベースとしての素性は決して侮れないものがある。なにより、中古車価格が手頃な事も大きな魅力だ。
そんなV35をベースに、内外装からパワー系までトータルチューンを施したのがこの取材車両。ジャンルの枠に捉われず、オーナーの理想を具現化した拘りの1台だ。
ブラパスやゲンバラといった欧州チューナーをリスペクトするオーナーが、自らコーディネイトしたという洗練されたスタイルは、市販エアロをベースに自分流のエッセンスをプラスしたもの。それに合わせ、“カーサービスヒロ”でワイドフェンダー化やダクト追加を実施することで、抜群のまとまり感を実現した。
デザインに惹かれてチョイスしたダムドのフロントバンパーは、グリルダクト部分をブラックアウト処理。リヤバンパーとサイドステップは、D-MAX製をベースにダクトやディフューザーを追加する。
ブラックメッキ塗装したインフィニティエンブレム。小振りなリヤスポイラーはUSブランドのEVO-R製だ。
シックな雰囲気のボディカラーは、BNR34ニュルスペック限定のミレニアムジェイド。スカイラインだから…ではなく、プレミアムなイメージにマッチした色だったからこのカラーを選択したそうだ。ホイールは19インチのワーク・グノーシスGS4だ。
また、本革張り替えによりプレミアム感を引き上げたインテリアは、タン色/ブラックのツートン仕上げ。ピアノブラック調のセンターコンソールもワンオフ加工するなど妥協なく作り込む。
センターコンソールは、トラストのマルチメーターやフーガ用アナログ時計を違和感なくインストールしている。
さらに走りのポテンシャルアップも抜かりなく、VQ35本体はノーマルのままHKSのGTスーパーチャージャー(GTS8550)を組み込んで、約350psまでドーピング。なお、出力向上に伴い燃料ポンプは235L/hへ、インジェクターは545ccへとそれぞれ変更。インタークーラーはHKSのキット付属品をセットする。
ちなみに、GTスーパーチャージャーはターボとスーパーチャージャーの中間と言われ、回転数に比例して出力がフラットに高まっていくナチュラルな特性がポイント。本格的な排気チューンを組み合わせれば、400ps近い最高出力を手にすることも可能だ。
大幅なパワーアップによる熱量増大に加え、デザイン重視でダクト面積の少ないバンパーの影響もあり、水温&油温はかなり厳しい状態に…。そこで、KOYOアルミ2層ラジエターやHPIオイルクーラーを導入した。
排気系は、エキマニからマフラーまでフル交換。HKSリーガルマフラーは110φオーバルテール4本出しに加工してビジュアルアップ。メタルキャタライザー付きの完全合法スペックだ。
どこを見ても隙なしのV35スカイラインは、欧州チューナーが手掛けたコンプリートも真っ青の完成度に仕上がっているのだ。
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