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王道のTE37とは異なる方向性で勝負!
日本が世界に誇る鍛造ホイールブランド“ボルクレーシング”が、待望のニューモデルを東京オートサロン2023で発表した。それがGシリーズの最新作となる“G025LC”と、スポーツホイールの常識を打ち崩すデザインを有する“NE24”の19インチモデルだ。それぞれのディティールをチェックしていこう。
ボルクレーシングG025LC
スポーツホイールとしての性能を担保した上で、美しさを突き詰める“大人のボルクレーシング”がGシリーズだ。そのフラッグシップモデルとして頭を張っているG025が、ここにきて予想外の進化を遂げた。深リム化である。
従来のG025では対応しきれなかったSUVやDセグメントを取り込むべく開発された“G025LC”、一見するとG025のマイナーチェンジ版に思えるが、実は素材から設計までをゼロベースで見直した完全なるニューモデルだったりする。
「深リム化による重量増加を抑えるために軽量化を行っていますが、そのままでは強度が確保できない。そこで設計を見直しつつ、専用の素材まで使いました。ターゲット車両を考慮して、静粛性を徹底追求しているのもG025LCの特徴ですね。感覚的には完全な新作ですよ」とは、ボルクレーシングを統括する河西さん。
G025の代名詞とも呼べるウエイトレスホールとともに描き出す独創的なセンターパートは、ブレーキシステムを魅せることまでも視野に入れたもの。美しいアルミのセンターキャップも専用開発だ。
また、リムフランジへと伸びやかに展開していくスポーク形状は、スポーツホイールとしての性能要求値を満たしつつ、極限のスリムさへと攻め込んだ。河西さんの言葉を借りるなら「鍛造1ピースとしては過去最高難易度」とのこと。
リムに刻まれた文字は、レイズの特許技術であるA.M.T.(アドバンスド・マシニング・テクノロジー)による切削加工で刻まれる。工具の刃物目をあえて残すことで、立体的な造形を表現する。
近年、カラーリングにも強い拘りを見せるボルクレーシングの流儀はG025LCでも健在。メインカラーは“本物のシルバー”を表現したもので「ガンメタでもなければ、灰色でもない。塗装技術や工法をアップデートしながら、我々が20年をかけて辿り着いた“マーキュリーシルバーの完成系”とお考えください」と河西さんは熱く語る。
ボルクレーシングの技術力が詰め込まれた最新モデル、スピード感や逞しさを犠牲とせずに、ピュアスポーツ王道の足元から脱却を図るなら、G025LCは最有力候補として注目すべき1本だと言えるだろう。
製品仕様
RAYS
VOLK RACING G025LC
サイズ:20×8.5J〜20×12.0J
カラー:シャイニングライトメタル/リムFDMC
価格:13万6000円~14万4100円
ボルクレーシングNE24
2021年のモデルデビュー後、“新しいボルクレーシング”として着実に装着率が高まっているNE24。パッと見は均一な8本スポークだが、その実は2×4レイアウトの複雑なツインスポーク仕様。360度のディスク面を4分割した90度内に3本のスポークが配置されるよう、狭角と広角の三角形を組み合わせたモデルだ。
そんなNE24が、ついに世界観の拡大に乗り出した。これまでは18インチのみの展開だったが、市場からのラブコールに応えるカタチで19インチモデルをデビューさせるのだ。
性能ありきで生み出されたスポークの配置は19インチになっても変わらない。これは緻密な計算から導き出された結果であり、スポーツホイールに相応しいオーラを放つ。
体積を確保したリムフランジへつきまとう駄肉は、2段角のアンダーカットで削ぎ落とす。A.M.T.によるマシニング文字はレーシングパーツとしてシンプルなフォントが採用されている。
ホイールの中心となるセンターパートは入力に対する剛性や強度を確保するため、十分な体積を与えて設計。この体積があるからこそ、スポークの又部がナットホールによって途切れても影響は一切受けないのだ。
19インチが基準となるであろうRZ34型フェアレディZやFL5型シビックタイプ乗りで、本物が欲しいと願うならばこのモデルはその期待に必ず応えてくれるはずだ。
製品仕様
RAYS
VOLK RACING NE24
サイズ:19×8.0J〜19×11.0J
カラー:シャイニングブラックメタル/マットガンブラック
価格:10万7800円~11万7700円
PHOTO:南井浩孝
●問い合わせ:レイズ TEL:06-6787-0019
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