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目指したのは機械式VVC並みの使いやすさ
高機能と操作性を両立させた史上最高傑作
1987年に世界初の電子制御ブーストコントローラーとして誕生した“HKS”の『EVC』。その最新バージョンとなるのが、2020年に登場した第7世代モデルのEVC7だ。チューナー達からの評判も非常に良く、名のあるチューンドにインストールされている人気製品だったりする。
EVC7を開発するにあたって、コンセプトとして掲げられたのが“イージーオペレーション”。
これは、モデルチェンジごとに進められてきた高機能化の結果、操作が難しくなっているという声に応えたもので、マニュアルが無くても直感でセッティングできることを目指したのだ。
そのために採用されたのが、大型のプッシュスイッチ付きダイヤルを装備したディスプレイ。2.4インチのTFTカラー液晶パネル自体は前モデルと同サイズだが、表示デザインやフォント、文字サイズの見直しで大きく視認性が向上している。
そして、最も簡単な“イージーモード”なら、装着後に排気バイパスタイプの選択と最大ブースト圧を設定するだけですぐに使用可能。面倒な初期設定はいらず、スマホ同等の操作性を実現したわけだ。
ディスプレイ表示方式は2タイプの選択が可能で、情報を絞ったタイプA(Easyモード)と情報量の多いタイプB(PROモード)を用意。なお、エンジン回転や車速などの表示には配線が必要となる。
最大ブーストやワーニング作動時などの各種ブースト設定は、従来のダイレクト入力からポイント式の入力方式に変更されている。
さらに“PROモード”では、EVCならではの細かなセッティングも可能で、スロットル開度とエンジン回転または車速に応じた補正マップは従来の3つから4つへとメモリー数を増加。もちろん、スクランブルブーストモードも搭載している。
ハード面での注目は、何と言ってもEVCの伝統であるステッピングモーター式のバルブシステム。EVC7では制御CPUが新型の“EVCハイパーエンジンII”となり、さらに高速で安定したブースト制御を可能にしている。
ディスプレイ横にはUSB端子が用意され、通信ケーブルを用いる事でPCとの接続が可能だ。専用のブースト設定ツール「EasyWriter(無償ダウンロード可)」を使えば、より簡単に補正マップのセッティングが行える点も見逃せない。
「EVC6-IR2.4時代の高機能はそのままに、かつての機械式VVCのような直感的な操作性を目指しました。スクランブルスイッチなど拡張オプションも用意しているので、多彩な使い方が可能ですよ」と、HKS開発担当の本多さん。
シリーズとしては初となるCAN通信も採用し、従来モデルとは比較にならないレベルの拡張性も獲得。第二世代GT-Rやシルビア、RX-7など、絶版ターボスポーツモデルのアップデートチューニングにおいて、EVC7は欠かすことのできないパーツなのである。
●問い合わせ:エッチ・ケー・エス 静岡県富士宮市北山7181 TEL:0544-29-1235
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