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本気系オーナーの相棒は本物のブラックバード!?
貴重すぎるワンオーナーの930ターボ!
新車購入から30年以上、オーナーである菅野さんと共に、様々なストリートステージを全開で走り抜けてきたポルシェ930ターボの登場だ。じつはこのクルマ、実写版Vシネマ「湾岸ミッドナイト」のブラックバード役として使用されたマシンそのものだったりする。
巨大なインタークーラーが鎮座する心臓部は、腰下をRUF BTRキットで3.3Lから3.4Lにスケールアップし、ヘッドもDougherty Racing製ハイカムの投入を軸にくまなく手が入る。そこにワンオフのEXマニを介してウエストゲート式のボルグワーナーS300SXEタービンをインストール。モーテックによる綿密な制御によって、ブースト1.4キロ時に600psを発揮するハイスペックだ。
足回りもフルチューン仕様となる。930型は特殊なトーションバー式を純正採用しているが、そのままではセッティング幅が狭すぎるため、一般的なコイルオーバー式に変更。そして、ビルシュタイン改エナペタルショック+ハイパコスプリングをセットして、600psを受け止めるサスペンションを構築している。
ホイールはSSR RWB(F9.5J R11.5J)で、タイヤにはクムホV700(305/30-18)をセット。ブレーキは、ブレンボのアルミモノブロックレーシングキャリパーにディクセルローターを組み合わせて、パワーに見合ったストッピングパワーを手にしている。
オートガレージTBKの“湾岸”バンパーとカーボンボンネットに確認できる飛び石の跡が本気仕様を物語る。リヤセクションは、ベルグリヤスポイラーやワンオフのGTウイングを装備して超攻撃的なフォルムを演出。なお、軽量化のためにルーフはカーボン製とし、リヤウインドウもアクリルを奢る。
内装はエアコンレスのフル軽量仕様でRWBの溶接留めロールケージを装着。車重は1150キロと超軽量だ。インパネに120φのオートメーター(タコ)を埋め込み、ブリッドの海外モデル“エディルブ”のフルバケ1座という気合いの入ったインテリアからは、30年の歴史が感じられる。
ブラックバードとの走り屋ライフを満喫する菅野さんだが、近年はステージをサーキットへと移行。中でも全力投球しているアイドラーズ耐久レースでは、ポルシェ年間シリーズクラスチャンピオンを過去3回(2013年、2016年、2017年)獲得するほどの活躍を見せている。とにかく走ることが大好きなのだ。
30年以上前のクルマとは思えないほどの輝きを放つ漆黒のボディからは、菅野さんの深いポルシェ愛が伝わってくる。痺れるほどカッコ良い930ターボだ。