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T78ターボ仕様で異次元の加速を見せるハイパワーEG6
シビックのステージはワインディングやサーキットだけじゃない!
ワインディングやサーキットで速さを見せつける軽量FFマシンというイメージが強いEG6。ところが北海道の“メイクアップ”が製作した1台は、前置きインタークーラーにワイドフェンダーが異色の存在感を放っているゼロヨン仕様なのだ。細部を見ていく。
エンジンはB20Bの腰下にB16Aヘッドをドッキング。ボア1mmオーバーサイズとなるOS技研の84.5φ鍛造ピストンにH断面コンロッドが組まれる。VTECコントローラーによってハイカムへの切り替わりポイントを6500rpmにセットしており、レブリミットは9500rpmだ。
ワンオフEXマニを介して装着されるのはT78-29Dの14cm2。エンジン横置きのFF車だけに、シリンダーブロックやラジエターコアサポートとのクリアランスはギリギリ。このスペースによく収めたと感じざるを得ない仕上がりだ。
ウエストゲートはT78やT88、TD07Sなどビッグタービンに対応した大容量のGreddyタイプCをチョイス。EXマニやタービンを含めて、そのレイアウトに苦労の跡がうかがえる。手前に見えるラジエターはRGの真鍮2層タイプだ。
スロットルはノーマルの62φに対してバタフライ径を70φに拡大したスプーン製をチョイス。これでパイピングを80φにすることが可能になった。サージタンクはB16A用が使われている。
エキゾースト関係はメインパイプ径はフロントパイプに合わせた80φ、テールを115φとしたオリジナルフルチタンマフラーを装着。最低地上高を稼ぐため、基本的にノーマルと同じパイプレイアウトとされている。
OS技研ツインプレートクラッチを介してB16B用純正ミッションを装着。デフにはクスコLSDが組まれるがクロス化は行われておらず、ファイナルまで含めてギヤ比はノーマルのままだ。とりあえずはミッションが壊れるまでこの仕様でいくという。
サスはHKSハイパーマックスIIダンパーに、フロント9kg/mm、リヤ10kg/mmというスプリングをセット。また、600psものパワーによるトラブルを防ぐため、ドライブシャフトはテクノプロスピリッツの強化品に交換済みだ。
フロントタイヤはニットーNT555Rの245/50-16。これを収めるために、フェンダーはワンオフ加工によって片側50mmほどのワイド化が図られている。「フェンダーアーチのラインがちょっとRX-8っぽいんだよね」とは、メイクアップの本田代表。
個性的にまとめられた室内。ダッシュボード右側にはオートメーターのタコメーターをセット。センターのエアコン吹き出し口をカーボンパネルで覆ったところにはデフィの追加メーターが4連で装着している。
シフトブーツやロールバーパッドとともにシートも黄色でコーディネイト。ストリートでの使い勝手も考えて、セミバケタイプを装着している。ロールケージはセーフティ21の7点式だ。
スワップされたB20Bは、同じB系エンジンでもB16Aよりシリンダーブロックが高く、純正ボンネットではカムカバーが思いきり干渉してしまう。そこで中央部を大きく盛り上らせたカーボンボンネットをワンオフ製作することに。
大型のインタークーラーやフロントのワイドフェンダー、2.0L+T78タービンという仕様からかなりのジャジャ馬を想像させるマシンだが、実際の性格は下からトルクが湧き上がり、街乗りも十分こなせる仕様。VTEC+ターボの組み合わせは非常に相性が良いのである。
ゼロヨンが盛んな北海道らしいチューニングカーだが、シビックの楽しみ方を再定義してくれるような1台だ。
●取材協力 メイクアップ 北海道石狩市樽川42-2 TEL:0133-72-4177
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