「ストリートゼロヨン最速DR30再生計画」トラクション重視の前後サスペンションシステムが完成!【連載5回目】

前後サスペンションの移植が完了。DR30に合わせた細部をチェック!

周辺パーツの見直しにより、エンジン搭載位置も後方に。

現車合わせで切った貼ったしながら、RPS13用の足回り移植を進めていたガレージ八幡の森田代表。実は、前回紹介した製作途中の段階から、細かい部分にはかなりの手直しが加えられていたりする。

中でもリヤメインフレーム加工は、カット&スチールパネル溶接箇所が増やされているのだ。というのも、メンバー取り付け位置が低すぎて、車高ダウン時にアーム類やドライブシャフトがバンザイ状態になってよろしくないから。

そこで、メインフレームをさらに深くカット。フロント側2ヵ所はフロア部に新設したブラケットに、リヤ側2ヵ所はフレームに直接マウントされることになった。これでメンバーを可能な限り高いところに固定し、理想的な車高ダウン量とサスストローク時の適切なジオメトリー変化を実現しているわけだ。

「メンバー取り付け位置は、DR30のノーマルよりも30mmくらい上がっとるよ。シャコタンのままゼロヨンでもサーキットでも、良いところで足回りを使いたいからね」と森田代表。

RPS13用のサスペンションを移植しながら、ドライブシャフトはより強度の高いGT-Rに変更。パワーに対する耐久性を高めるのだ。

リヤサスメンバーのフロント側固定部を外側から見たところ。スチールパイプをカット&溶接してフロアに新設されたマウントが確認できる。

リヤナックルはR32~34GT-R用を流用。スムーズなサスストロークを実現するため、ブッシュ類は全てピロタイプに打ち替えられる。

一方、フロントサスもメンバーごとRPS13用を装着。DR30ノーマルに対して15cmほど後方に取り付けられ、その分エンジン搭載位置も下がる。

森田代表いわく、「DR30のノーマルより幅が広すぎるんで、ロワアームの取り付け位置も内側に変更。後はS14/15系の車高調を使えるんが、メリットとしては大きいと思うよ」とのこと。

フロントサスメンバーは、メインフレームに固定される左右前後4ヵ所のボルト穴のうちフロント側2ヵ所を、元々DR30にある4本のボルトのリヤ側2本で固定。メンバーのリヤ側2ヵ所に合わせて、メインフレームにはボルトが新設される。これでノーマルに対して前後方向のネジピッチ分、メンバーが後方に取り付けられる=エンジン搭載位置が後ろに下がるわけだ。

S14用ラジエターコアサポートを溶接することで、テンションロッドブラケットの移植を実現。違和感のない装着を可能にしているのだ。

ロワアーム取り付け位置は30mmほど内側に移動。ワイドボディ化を行わなくてもフェンダー内にタイヤ&ホイールが収まるよう手直しされる。「ダンパーのロワブラケットにある2ヵ所のボルト穴とアッパーマウントでキャンバー調整していくよ」と森田代表。

足回りの移植で、ラック&ピニオンに変更となるステアリング形式。DR30ノーマルのボール&ナット式はステアリング側シャフトとの間にゴムブッシュが入っているだけで、それがステアリングチルトで発生する角度の違いを吸収していたが、S14用はユニバーサルジョイントを使用。細かい部分まで今時になるのだ。

ちなみに、足回りの完成度は現段階で80%。リヤはGT-R用ナックルを使う関係からR33/34用の車高調をベースにアッパーマウントを改造するとか、フロントはロワアーム取りつけ位置が内側に入った分、タイロッドの長さを調整したり、キャンバー角を適正化したりとか、作業がまだあるのだ。

とはいえ、足回りがカタチになっただけでも大きな進歩。次回に期待されたし!

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:ガレージ八幡 愛知県半田市上浜町10-20 TEL:0569-26-1660

「ストリートゼロヨン最速DR30再生計画」サスペンション形式を根本から見直す!【連載4回目】

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