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2017年に発表されたスーパーチューンドの現在地
VR32のフルコンプリートメニュー化がついに決定!
R35GT-Rの“ほぼ全て”を移植したBNR32チューンド『VR32GT-R』。ご存知、トップシークレットのスモーキー永田が作り上げた超大作だ。東京オートサロン2017での発表以降も進化を止めず、すでに2023年スペックへのアップデートも完了している状態だが、何とこの夢のスーパーチューンドのコンプリートメニュー化が決定したのだ。
VR32GT‐Rのアウトラインを改めて説明しよう。まずエンジンはVR38DETT。JUNのI断面コンロッドで腰下を強化し、オリジナルのR800プラスタービンをインストール。基本的な構成は東京オートサロン2017出展時と同様だが、2021年スペックではブースト圧を1.4キロから1.6キロへと高めて、最高出力を50psほど引き上げている(750ps)。
リヤシート部分のフロアを大胆にカットし、R35のGR6ミッションを完全移植。トランスアクスル方式のGR6ミッションを移植するため、デフやメンバーも含め、ごっそりとR35のものに変更されている。リヤシートは撤去され、運転席後方にクリーンウインドウを配置してGR6ミッションをディスプレイとして魅せる。
インテリアの仕上げも圧巻だ。インパネ周りは完璧にR35GT-Rで、メーター周辺やパドルシフトはもちろん、ステアリングの各種スイッチやエアコン、ナビ・オーディオに至るまできっちり作動する。また、マニアックなポイントとしては、実はドアミラーや、トランク&フューエルリッドの開閉システムまでもがR35GT-R用と凝った作り込みになっていたりもする。
室内の各部はアルカンターラで張り替えてハイエンド感を演出。もちろんステアリングもR35GT-R用に交換され、パドルシフトもそのまま移植。その内容は、もはや進化やアップデートという次元を超えたものだ。
エキゾースト環境も面白い。リヤテールから覗くのはBNR32純正マフラーで、街乗り時には純正並の消音性能を発揮する。そして全開走行時には中間パイプに仕込まれたバルブが切り替わり、サイドステップ先端に設けられたサイド菅からストレート排気するというギミックを搭載。全ては、大人のスーパーチューンドを目指したスペックだ。
タイヤはRE-71R、フロント245、リヤ275のサイズ違いをマッチング。ホイールはOZレーシングのチャレンジHLT。R35GT-Rの駆動系(ハブまで)移植によって取り付け面が外側にオフセットしたため、特注オフセット品(F10J+25 R11J+60)を使用する。車高調はVR32専用スペシャルモデルで、ブレーキもR35GT-R純正を流用する。
コンプリートメニューの詳細をスモーキー永田に尋ねると「デモカーと全く同じ仕様で5000万円を予定しているよ。ただし、作るのが本当に大変だから時間はかかると思うけどね(笑)」とのこと。
現実的な金額ではないかもしれない。しかし、この時代に究極的スーパーチューンドが量産化されるということは実に夢のある話だと思う。「宝くじが当たれば…」と、妄想するだけでも胸が高まるというものだ。
TEXT:三木宏章
PHOTO:金子信敏/三木宏章
●取材協力:トップシークレット 千葉県千葉市花見川区三角町759-1 TEL:043-216-8808
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