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ワイドボディと彫刻塗装が生み出したカスタムR35の究極作
5900万円のプライスタグにも思わず納得してしまった
大胆な3Dペイントで話題を呼んだ2014年のZN6型86。エングレービングという彫刻をボディに施し、東京国際カスタムカーコンテストでグランプリに輝いた2015年のR35型GT-R。そして2016年、クールジャパンプロジェクトの集大成として東京オートサロンに送り出されたのが、この金色に輝くR35型GT-Rだった。
エクステリアはクールレーシングのワイドボディキットでフル武装。張り出しのインパクトで魅せたバージョン1に対し、このバージョン2は内巻きフォルムを採用。また、バージョン1はナローエアロからの発展系であったが、バージョン2は完全なワイドボディスペシャルとなる。
専用のフロントバンパーは、クールレーシングのアイデンティティと言える「逆スピンドルグリル」を配置。アッパーグリルを大型化しつつ、形状を切れ長な印象に変貌させることで、野性的なフロントマスクを構築する。一方で、サイドロワダクトは廃止。グリルでキャラクターが強化された分、敢えてプレーンなスカートフォルムとしてトータルバランスが整えられているのだ。
気づきにくいが、ヘッドライトもフルカスタム仕様だ。レクサスRC純正のインナーユニットを流用してオンリーワンの個性を手にしている。
前後フェンダーはフロントが片側50mmワイド、リヤが片側70mmワイド仕様。サイドステップはワイドボディVer.1を流用している。
そして、ROHAN(ローハン)井澤氏が手掛けるカスタムペイント。彫刻刀による手彫りで描き出されるエングレービングの面積は、2015年モデルの約3倍にも達しているというから恐れ入る。
さらにメタルペイントはより輝度を高めた新塗料を開発し、ハウスオブカラーのキャンディゴールドを重ねることで極上の煌めきを与えることに成功。3ヵ月間かけて完成させたというカスタムペイントは、もはや超絶の極みに達していたと言える。
ホイールはワークのオーダーメイドシステム『SION』で製作した鍛造2ピースの21インチ。フロントが11.5J-25、リヤが12.5J-70と、驚異のマイナスオフセットを見せつける。
パワースペックも強烈。心臓部のVR38DETTはGTX3076Rベースのオリジナルタービンキットで武装し、最大ブースト1.6キロ時に820psを発揮する。ゴールドのコンプレッサーが異彩を放つ。ウエストゲートは信頼性を追求してTIAL製を採用している。
センター3本出しのエキゾーストシステムは、クールレーシングによるワンオフのチタン製。全長は10メートルにも及び、エアロのダクト部からカールさせた巧みな取り回しを見ることができる。
まさに全身隙なし。低く構えた黄金のGT-Rは百獣の王さながらのオーラを放ち、来場客の誰もがその姿態に感嘆の声を挙げていたのが印象的だった。マシンには5900万円のプライスが掲げられていたが、究極のオンリーワンという価値を査定すれば、正当な評価価格だったのかもしれない。
●問い合わせ:クールレーシング TEL:052-693-9805
【関連サイト】
KHUL JAPAN(クール・ジャパン)
https://kuhl-japan.com/