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再び“鍋田”に降り立ったDR30、シェイクダウンで12秒37を記録!
クラッチに滑りが発生しつつも100km/h加速タイムは4秒58
アクセル全開でのスタートを実現するため、点火カットで6000rpmをキープできるようにF-CON Vプロでセッティング。サイドマフラーから盛大に吐き出されるアフターファイヤーは、スーパーシルエットを思い起こさせる!
EXハウジングはTD05の4cm2で固定。コンプレッサー側だけを20G→12B→14Bと変更することに。ピークパワーの落ち込みを抑えながら、中間トルクの大幅アップを実現した。
F-CON Vプロのロガーデータから720ccでは全噴射状態になることが分かったため、インジェクターを1000ccに交換。カプラーのすぐ上に見えるゴムパッキンはR32~34GT-Rの純正品で硬度が高いため変形が小さく、高ブースト下での燃料漏れが起きにくくなる。ガレージ八幡での定番パーツだ。
コーナーウエイトで車重も計測。フロント軸重664.5㎏(右327.0/左337.5kg)、リヤ軸重519kg(右263.0/左256.0kg)でトータル1183.5kg。前後重量配分は56:44となる。
軽量化はFRP製ボンネットの装着くらいでこの車重だから、ノーマルがいかに軽いかが分かる。パワーウエイトレシオは2.46kg/psだ。
ついに、“鍋田”にガレージ八幡のDR30が戻ってきた。極端な前傾姿勢、サイドマフラーから吐き出されるエキゾーストノート、リヤに背負った小野ビット…そのどれもが異質だ。
…と、撮影はここまで。今のご時世、ストリートで無茶するわけにはいかないため、私有地へと場所を変えてゼロヨン計測を行うことに。
パパパ、パン、パン! とミスファイヤリングしながらバーンナウトを開始。淡い光に照らされたタイヤスモークが徐々に大きくなる。まさにぶっつけ本番。タイムも気になるが、それよりもトラブルが出ないことを祈りながらスタートを待つ。
以下、ステアリングを握った森田代表のコメントだ。
6000rpmキープでスタート。パワーバンドは4000rpmからで、9000rpmまできっちりパワーが追従する。ゼロヨン仕様としては、割と扱いやすいエンジン特性に仕上がっとるね。
それと、マルチリンク化したリヤサスでスタート時の挙動が安定しとるし、スピードが乗ってからの直進安定性も抜群。ただ、ドラスリを履いとるのに路面を全く食わなくて、3速でもフワーッとテールが流れてしまうんよ。ちょっとリヤ荷重が小さすぎるんかな?
あと、何故かクラッチが滑っちゃって。480psくらいなら問題なく使えると思っとったんだけど。これは調べてみんと原因が分からんね。
12秒3っていうタイムは…う~ん、どうなんだろ? ドラッグ専用路じゃないからこんなもんって気もするし、スペックからいけばもっと出ても良いと思うし。グリップ不足とクラッチ不調があったけど、ちゃんと走れて良かったよ。実は俺自身が「ゼロヨンを走るのは何年ぶりだろ?」って感じだったからさ。
完全なシェイクダウンで、アタックは1回のみ。それで12秒3なら、上々のタイムだと思う。何より、今時のチューニング技術で復活したゼロヨン仕様のDR30が、再びクォーターマイルを駆け抜ける…その姿を見られただけで満足だ。(完)
TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:ガレージ八幡 愛知県半田市上浜町10-20 TEL:0569-26-1660
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