「ストリートゼロヨン最速DR30再生計画」アッサリと500馬力オーバーを達成!【連載13回目】

とりあえず軽く500馬力をオーバー! でもインジェクター容量が・・・

エンジン特性は超高回転型! ホンダVTECも目じゃない!?

ハイパワー車のECUセッティングは、基本的にシャシダイ上で完結させるのがガレージ八幡流。その理由を森田代表に聞くと「真っ直ぐ走らせるんが難しいクルマで実走セッティングなんて、危険でやってられんよ」とのこと。

ECUセッティングで使うシャシダイはボッシュのローラー式。今回DR30では、最大1730Nm(176.5kgm)の負荷をかけてセッティングを行った。とはいえ、5速でローラーを3度回しただけだ。PCのマップトレース画面とA/F計を見ながら、エンジン回転域ごとの燃調マップを書き替えていくことで、実にあっさりとセッティングは完了した。

「パワーがちゃんと付いてくるから、9000rpmまでセッティングを取った。ただ、ブースト圧が1.7キロ以上上がらんくて…。ウエストゲートのスプリングを換えて2.0キロ以上かけんと話にならんよね」。

そこでウエストゲートスプリングを交換することに。右が元々組まれてたスプリングで、左が新たに組み込んだもの。線径の太さも巻き数も大きく異なり、最大ブースト圧2.0キロ以上を実現する。

それとF-CON Vプロのロガーデータから1つ問題が発覚。720ccインジェクターが全噴射状態になっているのだ。今回は時間の関係でインジェクターはそのまま、ウエストゲートスプリングのみ交換した。

パワーチェックに使うのはサクラダイノシステムのローラー式シャシダイ。燃料が足りない状態だったが、それでも最大ブースト圧2.2キロ時に506.0ps/44.4kgmをマーク。1つの目安としていた500psオーバーは達成できた。

エンジン特性は最高出力を8450rpm、最大トルクをなんと8000rpm!! で発生するという超高回転型。また、ロス馬力(赤いグラフ=計測馬力と、緑のグラフ=修正馬力の差)が小さいことにも注目。これはリヤサスのアライメント調整とフージャードラッグラジアルの投入でスリップが抑えられている証拠だ。

エンジン制御はF-CON Vプロ単体で行われる。スピードメーターはVプロに車速信号を入れるためのもので、メーターとしては機能していない。また、最大ブースト圧2.0キロ以上でも確実な点火を実現する最強トランジスタキットも確認できる。

燃料ポンプはボッシュ製が2基装着されるが、常時最大駆動ではガソリン温度が上昇するし、ポンプにかかる負担も大きく寿命を縮めてしまう。そこで、レジスター(抵抗)とトラストバリアブルプレッシャーセンサーで、状況に応じて2基の燃料ポンプの作動ポイントを最適化している。

燃料ポンプに使われているハーネスは、実は家庭用。容量1.25アンペアで1200ワット付近まで熱を持たずに使える。電気系のトラブルを防いで、高回転高負荷域でも安定した燃料供給を行うための策だ。

リヤタイヤは275/40R17サイズのフージャードラッグラジアルに交換。アライメント調整と合わせて、今回のパワーチェックではスリップロスを最小限に抑えられた。ホイールはスプリントハートCP-035。

森田代表いわく「今の状態だと、こんなもんだよね。とりあえず、“鍋田”を走らせる前にインジェクターを1000ccに交換してセッティングも取り直すつもり」とのこと。この調子でいくと、次回が最終回になりそう。そこで1000ccインジェクターでのパワーチェック結果と、小野ビットを背負ってのタイム計測を行う予定だ。

かつて無敵を誇ったストリートゼロヨンのステージ、“鍋田”に再び降り立つDR30の雄姿を見逃すな!

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:ガレージ八幡 愛知県半田市上浜町10-20 TEL:0569-26-1660

「ストリートゼロヨン最速DR30再生計画」シャシダイ上でのECUセッティング開始!【連載12回目】

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