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オールペイントで化粧直しもバッチリ
鼓膜に突き刺さる超刺激的な直管サウンド!!
辺りがすっかり暗くなった夜7時、DR30はECUセッティングのためシャシダイ室に収まった。エンジンを始動すると直管サウンドがこだまする。アイドリング状態なのに、結構な爆音だ。
運転席に座った森田代表がアクセルをじんわりと踏みながら、パソコン上で燃調マップの数値を打ち替えていくと、始めはバラついていたエキゾーストノートが段々と澄んだものへと変化していく。
8000rpm+αまで綺麗に吹け上がるマップを作るのに要した時間はわずか数分。もちろん、パワーを出すにはここからさらに煮詰めていかなければならないが、森田代表いわく「ドラッグ仕様だから、セッティングは高回転域だけバッチリ合ってればOKっしょ」とのこと。確かにその通り!
クーリングの後、パワーチェックしながら再セッティング。素早く4速までシフトアップして低回転域からエンジン回転数を高めていく。サイドマフラーから吐き出されるエキゾーストノートはハンパではない音量で、耳を塞いでないと鼓膜が…。
排気量2.1L、IN288度&EX272度カム、TD520Zプロタービン…その仕様から高回転高出力型だとは思っていたが、エキゾーストノートから判断する限り、笑ってしまうほどピーキーなパワー特性ということが簡単に想像できる。
「まさに狙い通りで5000rpmくらいからドカン! とパワーが出てくるね。ドラッグ仕様なんだから、やっぱこうじゃないと。今回は一発目だし、とりあえずエンジン回転数は8000rpm+αくらいに抑えたけど、パワーがしっかりついてくるようならレブリミットは9000rpmを考えとるよ」とのこと。
気になるパワーは…タイヤエア圧を1.9キロから1.1キロに落としたり、メカニック2人がトランクに乗ったりしたものの、リヤタイヤがスリップして計測できず。「リヤサスのアライメントは目見当で合わせただけやし、タイヤも10数年前のビッグエンドドラスリやったから、スリップしてもしょうがないかな」と森田代表。
本来なら、パワーグラフはピークを迎えたあとストン! と垂直に落ち込むのだが、200km/hくらい(横軸は車速)からなだらかな右肩下がりとなっているのがスリップしている証拠だ。それより160km/hから急激に立ち上がるグラフの角度に注目。高回転指向のピーキーなエンジン特性だと判断できる。
また、この日は自社に完備している塗装ブースでボディのオールペンも行った。塗装前にボディパネルの凹みはパテで修正され、全体的にサンドペーパーをかけて足付け&マスキングまで行われてる。それにしても、赤は退色が激しい…。
ボディ色に変更はないから、いきなり赤い塗料を吹くのかと思いきや、予想に反してなぜか白!? というのも、下地を白くすることで赤の発色が良くなるからとのこと。
白いDR30が完成…ではなく、白を4度塗りして下地処理が終わったところ。これでヒーターを30分ほど焚いて塗装を乾燥させる。
下地が乾燥したらいよいよ本塗り。みるみるうちに赤いボディへと変身していく。缶スプレーでプラモのボディ塗装にさえ四苦八苦した担当からすると、これはまさに超絶テクニックだ。
仕上げにクリアを吹いて完成! ボディ下側、黒い部分は劣化が見られなかったため、元の塗装のままとした。次回は、ECUセッティングを決めてもらい、真の実力をパワーグラフでしっかり見せる予定なのでお楽しみに!
TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)
●取材協力:ガレージ八幡 愛知県半田市上浜町10-20 TEL:0569-26-1660
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