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R35GT-Rはブーストアップで時速320キロを狙える
スピードリミッター解除だけでオーバー300キロが可能
R35GT-Rのデリバリー開始から3ヵ月が経過した2008年3月。第三世代GT-Rのスピードリミッターの解除が可能になったことを受け、OPTION誌は高速周回路でのテストを敢行した。『新型GT-Rは300km/h巡航中でも助手席の人と楽しく会話出来る、日本初のスーパーカー』。そんな日産の挑戦的な公式アナウンスが真実か否かを確かめるためだ。
結果は衝撃的だった。テスト車両は250km/hを超えても怒濤の推進力を炸裂し続け、そのまま大台を突破。最終的に6速6800rpm近くまで回し切り、小野ビット計測で309.3km/hをマークしてみせたのだ。
この時、R35GT-Rの手綱を握っていたアタッカーは「素直に驚いた。特に280km/hまでの加速性能は予想以上のもので、もはやフルチューンRB26を凌ぐレベル。ミッション温度は110度まで上がっていたものの、水温は80度で安定。エンジン的にまだ余裕があるようにも感じたよ。車内も至って平和だったし、ここまで快適な300km/hは過去に記憶がない」と後に語っている。
それから間もなくしてパワーチューニングが本格化し、オーバー800ps時代が到来。以降、OPTION主催の最高速アタックや富士スピードMAXなどで、恐ろしいまでのポテンシャルを発揮し続けているわけだが、その最前線を走るチューナー・トップシークレットのスモーキー永田いわく「ノーマル(スピードリミッター解除のみ)で300〜310km/h、ブーストアップ仕様(600ps前後)で320〜330km/h、フルタービン仕様(800ps)→オーバー330km/hがターゲットかな。うちの最高速仕様はイタリアで360km/h出したけど、あれは1000psでちょっと尖った仕様だから現実的ではないよね」とのこと。
なお、ベースポテンシャルが高すぎるだけに最高速用のチューニング等はとくに必要ないが、300km/hでの『巡航』を考えるならDCTクーラーの導入は必須。1アタックでGR6ミッションのオイルは120度近くまで上昇してしまうから(140度でフェイルセーフが介入する)だ。
また、R35GT-Rの場合、ファイナルギヤの変更が現実的ではないため、どんなにパワーを引き上げても最終的な最高速はレブリミットの値に依存する。そして、純正は初期型が7000rpmレブとなっているのだが「吸気系が異なるとはいえ、2012年モデル以降は7200rpmの設定なんだよね。だから初期型もROMチューンでレブアップすれば、それだけで最高速は伸びる」とスモーキー。
デビューから15年以上が経過し、初期型なら500万円代のプライスタグを掲げる個体も中古車市場には現れてきている。チューニングの進化率を考えると、最高速マシンのベースモデルとしては最良かつ最強の選択肢と言えるだろう。
●取材協力:トップシークレット 千葉県千葉市花見川区三角町759-1 TEL:043-216-8808
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