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優雅なエイムゲイン製ボディキットで身を包んだ実験車両!
GTIIIタービンによるターボチューンでFA20の可能性を追求
過給機仕様が一般化した感のあるZN6型86/ZC6型BRZパワーチューニング。現在、市場には多種多様なドーピングシステムが溢れているが、HKSが展開する「GTIII-RSタービンキット」ほど振り切った仕様は珍しいだろう。
GT-RSの後継として2017年に登場したGTIII-RSタービン。軸受けはフローティングメタル式だが、独自開発のコンプレッサーホイールを採用することで、ボールベアリング式軸受けと同等レベルのブーストレスポンスを手に入れつつ、高過給にも対応できるスペックを実現。FA20エンジとの組み合わせでは、腰下の強化次第で450psを狙えるほどだ。
このキットの可能性を追求しているのが、大分県の“フルスペックカーメイク・サム”。代表の今村さんはターボチューンを施したヴェロッサを自在に操りドリフトを楽しむ腕前の持ち主であり、ヴィッツからR35GT-Rまで、セオリーに捉われないモディファイメニューの提案を行なっている名チューナーでもある。
「エンジン本体はフルノーマル。燃料のアップグレードキットを付けてポンプを強化タイプに変更した他は、完全にキットのポン付けです。それでも下から過給がしっかり効いて、どこから踏んでも高回転まで一気に吹け上がってくれます。本当に速いですよ。ECUはフラシュエディターで、ブーストコントロールにはEVC6を使用。過給圧はメーカー推奨の0.8キロで、320ps+αというところでしょうか」。
320psものターボパワーをキッチリと路面に伝えるべく、他パートもキッチリと手が入る。サスペンションはクスコの車高調で、走行性能を重視した独自のローダウン値に設定。
エクステリアはグラマラスなエイムゲイン製のワイドボディキットを軸に構築。エキゾーストもエイムゲイン製だ。カーボンタイプのリアウイングはボルテックス製で、オレンジとブラックのコントラストを含めてインパクト抜群のフォルムを生み出している。
「ここから各部のセッティングを追い込んでやれば、シルビアや180SXにも負けないFRターボ車に仕上げることが可能です。ドリフトシーンでも、この辺りのスペックが主流になってくるんじゃないでしょうか。何より中古車のタマ数が豊富で価格も安いですからね、先代の86/BRZは」と今村さん。
値上がりを続ける人気ドリフトベース車両の中古車相場に嘆いている人は、ZN6/ZC6のボルトオンターボ仕様を選択肢の一つに加えてみてはいかがだろうか。
●取材協力:フルスペックカーメイク・サム TEL:0973-23-1774