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低速トルクの確保を重視した2.8L+N1タービン仕様!
どんなステージでも速さを体感できる老舗のセットアップ術
古くから関西地区のレースで活躍を続けてきた、実力派ショップ“ガレージ伊藤”の手によって仕上げられたBCNR33の登場だ。
補強や軽量化なし、快適装備も維持したままといいながらも、ツボを押さえたメイキングでバランスの良いチューンドに仕上がっているとのこと。オーナードライブで、セントラルサーキット1分25秒台、岡山国際サーキットで1分42秒台というから、走行会仕様としてはトップクラスのパフォーマンスと言える。
心臓部はMAX550psのRB26改2.8Lスペック。GT-Rとしては控えめな数値だが、低速トルクの確保とトラブルフリーの耐久性を優先したためだ。タービンはN1ツイン。ストロークアップと小ぶりなタービン選択で詰まり気味の高回転域は、作用角272度のHKS製カムシャフトを組み合わせてフォローしている。
こうして作られたエンジンの特性は非常にワイドで、ノーマルミッションとの相性も良い。
冷却チューンも徹底。夏場の連続走行も可能なようにと、2基のオイルクーラーを左右のバンパーサイドに振り分けている。アルミ3層のラジエターと共にトラスト製だ。インタークーラーはHKS製、コア周辺の飛び石の傷などは長らくサーキットを走り続けている証だ。
また、スムーズなシフトフィーリングを得るためにエンジンマウントやミッションマウントを強化したり、ブローバイガスの経路にオイルセパレーターを設けて、走行中のオイル切れによるトラブルを防止するなどのサーキット走行への対策も抜かりなし。
足回りは、別タンク式のクァンタム車高調を軸に構築。軽量化や剛性アップは一切行なっていないため、時間をかけながら減衰力セッティングを進めたそうだ。もちろん、ブレーキもキャリパー&ローターを大型化して強化している。
アーム類も全てオリジナル品に交換してアライメントの調整幅を広げ、設定車高で適切なジオメトリーになるようセットアップ済みだ。
さらに、軽快な走行フィールを得るためにホイールには超軽量なボルクレーシングTE37のマグネシウムタイプを選ぶなど、控えめなエクステリアとは正反対、妥協のないパーツチョイスが光る。取材時のタイヤはアドバンA048のMコンパウンド(FR265/35-18)だった。
サーキット走行を一番の目標にしながらも、高速からワインディングまで幅広く楽しめるという“羊の皮を被った狼”仕様のGT-R。落ち着いた大人にこそ相応しいチューンドRと言えるだろう。
●取材協力:ガレージ伊藤 大阪府茨木市島3-3-20 TEL:072-637-8511
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ガレージ伊藤
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