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進化を続ける九州最速のシルビア
オートポリス50秒のカベに挑むタイムアタッカー!
レーシングカーばりのルックスを持つチューンド達による、コンマ1秒の激しい攻防が続くオートポリスのタイムアタックシーン。そんな猛者揃いの中、S15シルビアで果敢に戦いを挑んでいるのが“丸田小屋”の丸田代表だ。
現在のベストタイムは1分50秒888という強烈なもの。つい数年前までは2分切りが一つの勲章だったが、それは遠い昔の話。「今や52~53秒台ではトップ勢に太刀打ちできません。いやァ恐ろしい時代ですね」とは丸田さん。
もちろん、50秒888というタイムはシルビアでは文句無しに最速(取材時)だが、そこは熱血九州人。狙うはその頂点ということで、さらなるセットアップが着々と進められている。
エンジンはHKSの2.2Lキットをベースに、272度カムを組んだナプレックのビッグバルブヘッドを組み合わせる。インタークーラーなど、重量物を車体中心部に寄せたレイアウトも注目だ。
ハイパーチューンのサージタンクにオートスタッフの80φスロットルを装着。吐出量800ccのインジェクターはトップフィードタイプに変更。振動による1&2番インマニの割れを防ぐための補強ステーも追加。
タービンは従来までのGTX3576RからGTX3582Rにサイズアップ。ブースト1.8キロ時に最高出力612ps、最大トルク68kgmを発揮する。しかし、数値的スペックだけを追うことなく、理想のトルクカーブが得られるまでF-CON Vプロを用いたセッティングが繰り返されている。
空力も凄まじい。フロントは「ステアリングを切ってもノーズがスパッと良く入ってくれないから、アクセルを踏み込むまで時間のロスが生じてしまうんです」という悩みを解決させるべく、2.5m幅のドライカーボンパネルを投入。タイヤは前後とも295サイズのアドバンA050だ。
ボルテックスの大型ディフューザーはリアアクスル手前まで伸びる。フルカバー化させていないのはミッション周辺の整備性と、ミッション&デフクーラーなど熱対策を優先しているためだ。
フロントと同じように、異様な広さを見せるボルテックスのドライカーボンウイング。ボディ周りもドライカーボンやFRPを多用するが、エアロは絶対に不可欠のため車重は1150kg程度までしか削れないという。
白いステーはアルコア材を使用していた時のもの。今回、新たにドライカーボン化させると共に、空力効果をより高めるべく取り付け位置を後方にスライドさせている。
「たらればの話はしません(笑)。結果が全てですから」と、笑顔の中にも真剣な眼差しを見せる丸田さん。最新鋭の空力と強力なパワーを武器にミッドシップ、4駆勢を相手にどのような戦いを見せてくれるか、大いに注目したい。
SPECIFICATION
■エンジン:HKS 2.2Lキット(87φ鍛造ピストン)、F-CON Vプロ、インタークーラー/ナプレック ビッグバルブ仕様ヘッド/ハイパーチューン サージタンク/オートスタッフ 80φスロットル/GCG GTX3582Rタービン/DRL ラジエター、オイルクーラー ■ドライブトレイン:HKS シーケンシャル6速ミッション/ATS カーボンLSD ■サスペンション:HKS ハイパーマックス(オリジナルスペック)/イケヤフォーミュラ ロアアーム ■ブレーキ:apレーシング 6ポット(F)、R34GT-R純正(R) ■エクステリア:ボルテックス フロントアンダーパネル、リヤウイング/T&E ドライカーボンルーフパネル/FRPボンネット、ドア、フェンダー ■タイヤ:アドバンA050(295/35-18)
●取材協力:丸田小屋 福岡県朝倉郡筑前町安野43-3 TEL:0946-42-1658
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丸太小屋
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