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VQ35HRの素性の良さを引き出す排気チューン
弱点克服のオリジナルパーツにも注目!
Z33/34チューンを得意とする兵庫県姫路市の“オリジナルレーシング”。中でもZ33は中古車相場が割安な上にポテンシャルが高く、走りを楽しむためのベース車として最適だという。このデモカーはその素性の良さを実証するべく、バランス良くチューニングを施した快速ストリートスペック。街乗りからサーキット走行までフレキシブルに楽しめる1台に仕立て上げた。
排気系のみ効率アップを図ったというVQ35HRエンジンは、全域でパワーを引き上げているのがポイントだ。
左右バンクから出た排気を、可能な限り車体後方で集合させる造りとすることで低中速トルクの向上を図り、NAとしては太めな48φを採用したEXマニにより高回転域の伸びを確保する。高回転域での失火を防止するためにプラズマダイレクトも導入。最高出力は実測で330ps&43kgmだ。
エキゾーストは、オリジナルのフルチタンマフラー&フロントパイプを投入して純正比20kgもの軽量化を達成。なお、マフラーは集合部分までの距離を稼ぐことで、トルクアップを実現している。
「水温は100度を超えると補正がかかるので、水冷式オイルクーラーを一体化したアルミラジエターを開発して、90度前半をキープできるようにしました」と代表の江見さん。さらに、油温対策としてARCのオイルクーラーを追加し、スポーツ走行するには温度対策が必須とも言われるデフオイルも容量アップデフカバー(2.4L→2.5L)をセットし、安定したラップを刻めるようにしている。
走り込みを重ねて仕様を煮詰めた足回りは、スピリット車高調ベースのオリジナル。これにハイパコのスプリング(F18kg/mm R16kg/mm)を組み合わせて旋回性能を高める。
地元の岡山国際サーキットの他、鈴鹿サーキットなどに遠征をすることがあるため、機械式LSDは扱いやすい特性のクスコ1WAYタイプをセレクト。ブレーキキャリパーはエンドレスのモノブロックを奮発した。
そして室内。シンプルに仕上げられたコクピットで目を引くのが、ステアリングコラム上に設置されたレースパック。これにより様々な車両情報が確認できる他、走行データのロギングも可能となる。
ダッシュボード上には、加減速Gなどがバーグラフで表示されるD-Rightsのドライビングモニターが装着されている。
エアロパーツも機能性を重視し、アミューズのスーパーレジェーラ改にASMダクト付きボンネットを追加。高速サーキットには欠かせないGTウイングはエスプリのカーボンタイプだ。美しいレッドのホイールは、ワークMCOレーシングの18インチ。これにイーグルRSスポーツの285/35サイズを組み合わせる。
バランス良く手を加えることで、誰が乗っても好タイムを狙えるような懐の深い1台に仕上げられたオリジナルレーシングのZ33。ツボを押さえたメイキングは、ユーザーにとって参考になる所が満載だ。
●取材協力:オリジナルレーシング 兵庫県姫路市別所町別所1876 TEL:0792-53-2678
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